【即効性あり】ギックリ腰に効果的なツボ4選!特効穴と刺激の注意点を解説

- 腰に何かが挟まったような、不気味な違和感がある。
- 動けるけれど、常にピキッという痛みの予感が消えない。
- ふとした瞬間に、腰が抜けるような不安感に襲われる。
そんな、言葉にできない腰の不調や「ギックリ腰」でお悩みではありませんか?
ギックリ腰は、過度なストレス、内臓の疲れ、巡りの悪さが限界に達した時に起こるため、鍼灸では患部だけでなく全身のバランスを整えるアプローチを重視します。
今回は、鍼灸師が臨床でよく使う「ギックリ腰に効く4つのツボ」と、「自宅でできるセルフケア(お灸・ツボ押し)」をまとめました。
無理に腰を動かさず、手足のツボからアプローチすることで、滞った巡りをスムーズにし、その不快な違和感を解放していきましょう。
ギックリ腰に効果的なツボ4選

①太衝(たいしょう)
場所:足の甲、親指と人差し指の間を足首に向かって指でたどったくぼみ部分
作用:頭のてっぺんに繋がる肝の経絡を整え、頭部への血流を改善する。ストレスや緊張型の頭痛にも効果的
刺激方法:指で圧を加えて押す(3秒かけて押す→3秒キープ→3秒かけて話す×左右3回ずつ)
②膈兪(かくゆ)
場所:背中、肩甲骨の下角(一番下の角)を結んだ線の高さで、背骨から指幅2本分外側。
作用:「血会(けつえ)」と呼ばれ、血液の巡りを改善する特効穴です。ギックリ腰による内部のうっ血や炎症を抑え、筋肉の柔軟性を取り戻すサポートをします。
刺激方法:家族にセルフ灸をしてもらうか、ホッカイロで温める
③陽陵泉(ようりょうせん)
場所:膝の外側、少し下にある骨の出っ張り(腓骨頭)のすぐ前にあるくぼみ。
作用:「筋会(きんえ)」と呼ばれ、全身の筋肉の引きつりや痙攣を抑える働きがあります。腰を支えるサイドの筋肉(筋膜)を緩めるのに非常に効果的です。
刺激方法:お灸でじっくり温める
④ギックリ腰の特効穴:腰腿点(ようたいてん)
特に「痛くて腰が伸ばせない」「椅子から立ち上がるのが怖い」という時に即効性が期待できるツボです。

場所:手の甲に2箇所あります。
- 人差し指と中指の骨が交わる手前のくぼみ
- 薬指と小指の骨が交わる手前のくぼみ
作用:腰の筋肉の緊張を瞬時に緩めるスイッチのような役割を果たします。別名「腰痛点」とも呼ばれ、急性腰痛の緩和に欠かせません。
刺激方法:痛い方の腰に対応する側の手を(両方でも可)、反対側の指でグッと強く押し込みます。
押しながら、無理のない範囲でゆっくりと腰を前後に動かしたり、足踏みをしたりすると、驚くほど腰の可動域が広がることがあります。
セルフ灸のやり方(初心者ガイド)
①用意するもの
市販のお灸(台座灸・せんねん灸など初心者向けがおすすめ)
ライター or チャッカマン
灰皿または耐熱皿
タオル、水(熱を感じすぎた時のため)、保冷剤でもOK
②お灸をする前のポイント
施術前に 軽く膝周りをさする(血流が上がり、熱が通りやすくなる)
食後30分は避ける
できれば 毎日同じ時間帯 に行うと効果が出やすい
同じツボに1壮/日までが基本
③お灸の手順
手順①:ツボを軽く押して確認
→「ズーン」と響くポイントが適切。
手順②:お灸をセット
→台座灸の底部シールを剥がし、ツボに貼る。
手順③:火をつける
→先端に火をつけ、煙が安定したら深呼吸。
手順④:温かさがじんわり広がるのを感じる
→熱すぎたらやめてOK。無理はしない。
手順⑤:燃え尽きたら外し、軽く押さえる
→手のひらで3秒ほど温めて蓋をするイメージ。
実は逆効果!ギックリ腰で押してはいけない場所と正しいセルフケア

ギックリ腰の直後は、患部で急激な炎症や微細な筋繊維の損傷が起きています。東洋医学的には「気滞血瘀(きたいけつお)」といって、気の巡りが急激に止まり、血液が滞って熱を持っている状態です。
そのため、痛みがある腰そのものをグイグイ押したり、無理に揉みほぐしたりする刺激は、かえって炎症を悪化させ、痛みを長引かせる原因になるので注意が必要です。

腰への直接的な刺激は、慢性的な腰痛(鈍痛)には心地よく感じますが、ギックリ腰のような急性期には禁物。
まずは腰から離れた手足のツボを使い、遠隔で「気の滞り」を散らしていくのが最も安全で効果的なアプローチです。
腰が痛くて動けない時は、今回紹介した中でも「太衝」と「腰腿点」のツボ押しがおすすめです。腰を直接触らずに、まずは手足のツボから緊張を解いていきましょう。
ギックリ腰は早期治療と「守りすぎない」ことが大切!

ギックリ腰は「そのうち治るだろう」と何度も繰り返してしまうと、次第に発作の頻度が増え、慢性的な腰痛へと移行してしまうことがあります。 その背景には、
- 痛みへの恐怖で脳が過敏になり、わずかな刺激で激痛を感じるようになる
- 腰をかばう動作がクセになり、他の関節(股関節や背中)まで固まる
- 自律神経が乱れ、血流不足から筋肉の修復が遅れる
- 「また痛くなるかも」という不安が常に付きまとう
といった“悪循環”が関わっています。 一度このループに入ると、「常に腰に違和感がある」→「ふとした瞬間に再発する」→「怖くて日常生活の動作が制限される」といった流れになり、元の健康な状態に戻るまで長い時間がかかることも珍しくありません。
ギックリ腰は ただ痛みが引くのを待つものではなく、「適切なケアで再発させない体を作る」ことが重要です。
つらい痛みが続くときや、何度も繰り返してしまうときは、どうか一人で抱え込まず、早めに専門家へ相談してください。
当院での実際のギックリ腰に対する鍼治療の様子を動画にまとめました。 「鍼は痛そう」「どんなことをするの?」と不安な方は、ぜひ参考にしてみてください。
【当院の施術風景はこちら】




