後鼻漏が治らない人必見!自力で改善するセルフケア(ツボ・漢方薬・食事)

- 喉にずっと何かが張り付いているような違和感がある
- 痰を吐き出そうとしても出てこない、飲み込んでもスッキリしない
- 寝ている間に鼻水が喉に落ちて、咳き込んで目が覚める
こうした「後鼻漏」の症状に、長年悩まされていませんか?
耳鼻科を回って検査をしても原因がはっきりしなかったり、薬を飲んでいる間だけ少し楽になるけれど、すぐにぶり返してしまったり……。
当院ではこれまで、後鼻漏や自律神経失調症などの不調を抱える多くの患者様と向き合ってきました。その臨床の現場で一貫してお伝えしてきたのは、後鼻漏の原因は「鼻」だけにあるのではないということです。
実は、後鼻漏がなかなか治らない背景には、「自律神経の乱れ」、「消化器の弱さ(胃腸の冷え)」、「慢性炎症」などが深く関わっていることが多々あります。

これまで自律神経や体質改善に関する実績を積み、臨床で多くの方の改善をサポートしてきた「東洋医学的アプローチ」を使えば、薬に頼らなくとも、自力でその不快感を和らげることは可能です。
今回は、当院でも推奨している、後鼻漏を根本から立て直すための「ツボ・漢方・食事」のセルフケアをまとめました。
お悩みの方は参考にされてください。
後鼻漏にはタイプがある
①熱タイプ(炎症型)
このタイプは、体内に余分な「熱」がこもり、鼻の粘膜が慢性的な炎症を起こしている状態です。
鼻水の特徴:黄色や緑っぽく色がついており、ネバネバと粘り気が強いのが特徴。喉にへばりついて取れにくく、不快感が強いです。
体のサイン:喉が赤く腫れやすかったり、口の中が乾きやすかったりします。また、顔がほてりやすい、目が充血しやすい、便秘気味といった傾向も見られます。
原因:脂っこい食事やアルコールの摂りすぎ、あるいは過度なストレスによって体内の「火」が燃え上がり、鼻水の水分を煮詰めてドロドロにさせているイメージです。

②冷えタイプ(停滞型)
こちらは逆に、体内の「水分」を動かすエネルギーが不足し、余った水分が鼻へと溢れ出している状態です。
鼻水の特徴:透明でサラサラ、あるいは少し白っぽい。喉へ絶え間なく流れ落ちてくるため、常に「飲み込みたい」という感覚に襲われます。
体のサイン:胃腸が弱く、もともと冷え性。体がむくみやすかったり、天気が悪い日に頭が重くなったりします。ベロの縁に歯型がついている(水分代謝が悪い証拠)のもこのタイプの特徴です。
原因:胃腸(脾)の働きが低下しているため、飲んだ水分を正常なルートで処理できず、体に溜まった「湿(しつ)」が鼻水となって漏れ出しています。

なぜ「鼻水」が止まらないのか?(代謝熱と気化熱の視点)
通常、体内の水分は「代謝熱」によって温められ、目に見えない水蒸気として皮膚や呼吸から発散されます。
しかし、冷えタイプの方はこの「熱」を作る力が弱いため、水分を十分に蒸発させることができません。
蒸発できなかった水分は液体として体内に残り、それが上へと逆流して鼻水となります。さらに、その鼻水が鼻の粘膜で冷やされる際、周囲の熱を奪う「気化熱」が発生します。
これにより鼻周りがさらに冷え、血流が悪化。すると、ますます水分を蒸発・回収できなくなるという悪循環に陥ってしまうのです。
タイプ別!後鼻漏を改善するツボ
後鼻漏の改善には、鼻の周囲だけではなく、全身の「熱」と「水」のバランスを整える遠隔のツボが非常に効果的です。
①熱タイプ(炎症型)におすすめ:合谷
熱タイプの方の鼻は、いわば「火事」が起きている状態です。
「合谷」は顔面部や頭部の熱を強力に引き下げる「清熱(せいねつ)」の代表格。鼻粘膜の炎症による腫れや熱感を鎮め、煮詰まってドロドロになった鼻水を解消する力を持ちます。
刺激方法:反対側の親指で、人差し指の骨の方へ向かって押し込みます。左右お灸もおすすめ。
②冷えタイプ(停滞型)におすすめ:三陰交
場所:足の内くるぶしの最も高いところから、指幅4本分上がったところ。骨(脛骨)のキワにあります。
「代謝熱」が足りず、水分が蒸発できない冷えタイプには、下半身から熱を呼び起こす必要があります。
3つの経絡が交わる「三陰交」は、血行を促進して体を内側から温める「温陽(おんよう)」の効果が高いツボです。ここを刺激することで代謝熱を高め、鼻の粘膜で滞っている液体(鼻水)を蒸発させ、気化熱による冷えのループを断ち切ります。
刺激方法:左右お灸がおすすめ。
③共通の基本穴:足三里
場所:膝のお皿のすぐ下、外側のくぼみから指幅4本分下がったところ。
タイプを問わず、後鼻漏が慢性化している方に共通して言えるのは「胃腸の弱さ」です。
東洋医学には「鼻水は脾(胃腸)が作り、貯めるのは肺である」という言葉があります。
足三里で胃腸の働きを活性化させることは、鼻水の「原材料」そのものをコントロールすることに直結します。胃腸が整うことで、鼻粘膜の修復力も高まります。
刺激方法:左右お灸がおすすめ。
タイプ別!後鼻漏を改善する食事
東洋医学では、鼻水や痰のことを「内湿(ないしつ)」と呼びます。これは体内で処理しきれなかった余剰物のことです。
①熱タイプ(炎症型)の食事:熱を冷まし、粘膜を掃除する
このタイプは、体内にこもった「熱」が鼻水を煮詰めています。熱を逃がし、粘膜を潤しながら掃除してくれる食材を選びましょう。
おすすめ食材:大根、れんこん、ごぼう、梨、ミント
大根・れんこん:古くから「痰を切る」といわれ、粘膜の炎症を抑えてドロドロの鼻水を排出しやすくします。
梨:肺や喉を潤す力が強く、熱タイプ特有の乾燥やイガイガ感を鎮めます。
控えたいもの:辛いもの、揚げ物、アルコール
②冷えタイプ(停滞型)の食事:内臓を温め、水を蒸発させる

このタイプは、代謝熱が足りず水分が液体(鼻水)として溢れています。内臓(胃腸)を「コンロ」に見立て、火力を強めて水分を蒸発させる食材が必須です。
おすすめ食材:生姜、ネギ、シナモン、かぼちゃ
生姜・ネギ:体の表面と芯の両方を温め、気化熱で冷え切った鼻粘膜の血流を取り戻します。
かぼちゃ:胃腸(脾)にエネルギーを補給し、水をさばく「運化(うんか)」の力を高めます。
控えたいもの:生野菜、冷たい飲み物、白砂糖、乳製品
ドラッグストアでも買える!後鼻漏の漢方薬

漢方薬を選ぶ際は、単に症状を見るのではなく、先ほどお伝えした「熱タイプ」か「冷えタイプ」かを見極めるのが、失敗しないコツです。
① 黄色く粘る鼻水に:辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)
この漢方薬は、まさに「熱タイプ」のための処方です。
特徴:鼻の粘膜にこもった「熱」を冷ます成分(石膏など)と、鼻の通りを良くする「辛夷(しんい)」が組み合わされています。
プロの視点:粘り気があって喉にへばりつく鼻水を、サラサラにして出しやすくしてくれます。
鼻の中が乾燥して痛むようなときや、慢性的な副鼻腔炎(蓄膿症)を伴う後鼻漏にも非常に有効です。

② 透明な鼻水に:小青竜湯(しょうせいりゅうとう)
こちらは、体内に溜まった余分な「水(すい)」を温めて追い出す、「冷えタイプ」の漢方薬です。
特徴:体を温める「麻黄(まおう)」や「細辛(さいしん)」が含まれており、内臓のコンロに火をつけ、鼻水の原因である「水」を蒸発(気化)させてくれます。
プロの視点:飲んだ後に体が少しポカポカしてくるのが理想的な反応です。
ただし、胃腸が極端に弱い方や、すでに鼻の粘膜が乾燥している方は、かえって乾燥を強めてしまうことがあるので注意が必要です。
専門家からのアドバイス
もし、市販薬を数週間試しても変化が見られない場合は、ぜひ専門の漢方薬局へ足を運んでみてください。
後鼻漏は複数のタイプが混ざり合っていたり、胃腸の弱さが根深かったりと、市販の配合ではカバーしきれないケースもあります。
専門家による「オーダーメイドの選定」を受けることが、長年の悩みから解放される一番の近道になるはずです。
自律神経失調症からくる後鼻漏・鼻喉の違和感

臨床現場で「何をやっても後鼻漏がスッキリしない」と訴える方の多くが、同時に自律神経の乱れを抱えています。
実は、鼻水の分泌量や粘膜のコンディションをコントロールしているのは、他ならぬ自律神経だからです。
交感神経が優位になると、鼻水は「接着剤」に変わる
私たちの体は、強いストレスや緊張を感じると「交感神経」が優位になります。すると、体は以下のような反応を示します。
粘膜の乾燥:交感神経が働くと、全身の分泌液(唾液や鼻水など)が抑制されます。
鼻水の「濃縮」:水分が減った結果、鼻水はドロドロと濃縮され、まるで接着剤のように喉の奥にへばりつくようになります。これが「出したいのに出せない」後鼻漏の正体です。
喉の筋肉の過緊張:喉周辺には自律神経が密集しています。緊張で喉の筋肉がギュッと収縮すると、実際には鼻水がそれほど溜まっていなくても、異物感だけを強く感じるようになります。
「ヒステリー球」との併発は、心身の限界サイン
東洋医学で「梅核気(ばいかくき)」、現代医学で「ヒステリー球(咽喉頭異常感症)」と呼ばれる症状があります。
もし、後鼻漏による不快感とともに「喉に梅干しの種が詰まっているような感じ」「喉が締め付けられるような違和感」を感じているなら、それは自律神経が完全にキャパシティオーバーを起こしている証拠です。
最後に:後鼻漏は一歩ずつ、本来の自分へ

後鼻漏は、命に関わる病気ではないかもしれません。しかし、24時間365日続くその不快感は、確実にあなたの生活の質(QOL)を削っていきます。
これまでお伝えした通り、後鼻漏の原因は鼻だけでなく、体質、そして自律神経と多岐にわたります。 「薬を飲んでいるのに治らない」と絶望する必要はありません。
それはただ、あなたの体に合ったアプローチにまだ出会えていないだけなのです。
ツボを押し、食事を整え、腸を労わり、そして心を休ませる。 この多角的なケアを少しずつ生活に取り入れることで、喉の奥の霧が晴れるように、心身ともにスッキリとした毎日が必ず戻ってきます。
一人で悩まず、まずは今日できる小さな一歩から始めてみませんか。




