朝起きられない起立性調節障害を支える4つのツボ|朝のスイッチを入れる布団でもできるセルフケア

  • 朝、どうしても体が動かない
  • 欠席が続いて不登校気味になっている…
  • 怠けているわけじゃないのに、学校に行けないわが子を見るのが辛い

中学生・高校生に多い起立性調節障害(OD)は、自律神経のスイッチがうまく切り替わらず、脳への血流が不足してしまう状態です。

本人は「学校に行きたい」と思っているのに、体が言うことを聞かない。そのもどかしさが、不登校という二次的な悩みにつながることも少なくありません。

実は、朝の「起きられない」を改善するには、精神論で無理に起こすのではなく、ツボを使って体内の熱と血流を呼び起こしてあげることができます。

本記事では、当院での改善実績に基づき、中学生・高校生の起立性調節障害を支える「朝のスイッチを入れる4つのツボ」と、布団の中でもできるセルフケアを解説します。

ぜひ起立性調節障害で悩む方や親御さんは参考にされてください。

東洋医学からみる「起立性調節障害」の3つの原因

東洋医学では、朝起きられない状態を単なる「自律神経の乱れ」としてだけでなく、体内のエネルギー(気・血)がうまく循環していないサインと捉えます。中高生に多いパターンは主に3つです。

1. 「気」が足りず、持ち上げられない(脾気虚・心脾両虚)

エネルギー源である「気」が不足している状態です。気には重力に逆らって血液や内臓を上に持ち上げる「昇提(しょうてい)」という働きがあります。

  • 状態:朝、脳まで血を持ち上げるパワーが足りないため、頭が真っ白になったり立ちくらみがしたりします。
  • 原因:胃腸が弱く、食べ物からエネルギーを十分に作れていない。

2. 「血」が下半身に停滞している(気滞・血瘀)

血液を巡らせるポンプ機能が弱く、下半身に血が溜まって戻ってこない状態です。

  • 状態:朝、体は起きようとしても、肝心の脳に血が巡らず、酸素不足で体が鉛のように重く感じます。
  • 原因:ストレスによる緊張(気の滞り)や、運動不足による循環不全。

3. 「エンジン」が冷え切っている(陽虚)

体を活動モードに切り替える「火(陽気)」が不足している状態です。

  • 状態:深部体温が上がらず、朝になっても体内のスイッチが「冬眠モード」のまま切り替わりません。
  • 原因:生まれつきの虚弱、冷たいものの摂りすぎ、慢性的な疲労。
鍼灸師の視点

臨床ではこれらが混ざり合っているケースが多く、特にお腹(胃腸)が冷えていて、ふくらはぎの血流が悪いお子さんが目立ちます。

だからこそ、次に紹介する「下半身・腕・お腹」のツボを刺激して、外側からエンジンをかけてあげることが効果的なのです。

起立性調節障害を助ける「朝のスイッチ」ツボ4選

朝の体温を上げ、自律神経を「休息モード」から「活動モード」へ優しく切り替えるツボです。

① 【下半身の血を脳へ戻す】築賓(ちくひん)

場所:足の内側。内くるぶしから指5本分くらい上で、ふくらはぎの筋肉の境目。 

こんな時に:朝から体が重だるい、むくみやすい、冷えが強い時。

鍼灸師の視点

築賓は「体内の毒出し」を助け、下半身の血流を促す重要なツボです。

起立性調節障害の方は下半身に血が溜まりやすいため、ここを優しくさすってあげることで、脳へ血を戻すサポートができます。

② 【呼吸を深くし、脳に酸素を】孔最(こうさい)

場所:腕の内側。手首のしわと肘のしわを結ぶ線の上、肘から指3本分下がったところ。 

こんな時に:朝、息苦しさを感じる、顔色が白い、頭がボーッとする時。

鍼灸師の視点

肺の機能を助けるツボです。呼吸が浅いと自律神経は整いません。

孔最を刺激して胸を広げ、酸素をたっぷり取り込むことで、眠っている脳を優しく起こしてあげましょう。

③ 【エネルギーの源を温める】気海(きかい)・神闕(しんけつ)

場所:『神闕』はおへそそのもの。『気海』はおへそから指2本分下

こんな時に:お腹が冷たい、食欲がない、立ちくらみがひどい時。

鍼灸師の視点

まさに「元気の海」。おへそ周りは全身のエネルギーが集まる場所です。

朝、布団から出られない時は、このあたりに「使い捨てカイロ」を貼ったり、親御さんが手を当てて温めてあげてください。

お腹が温まると、自律神経が安定し始めます。

【布団の中で1分】起立性調整障害の朝のケア習慣

無理に「起きなさい!」と布団を剥ぐ前に、以下のステップを試してみてください。

  1. 足首をパタパタ:布団の中で足首を上下に動かし、ふくらはぎのポンプを動かします。
  2. ツボを「優しく」さする:築賓や孔最を、痛くない程度にじわ〜っと撫でるように刺激します。
  3. お腹を温める:神闕(おへそ)に手を当てて、ゆっくり深呼吸を3回。

これだけで、脳への血流が少しずつ増え、立ち上がった時のフラつきを和らげることができます。

最後に:焦らなくて大丈夫。体は少しずつ変わります

起立性調節障害は「心の病」でも「怠け」でもなく、自律神経系の不調です。

セルフケアでなかなか改善が見られない場合は、全身の気血の巡りを整える鍼灸施術が大きな助けになります。

「今日は起きられたね」「このツボ、気持ちいい?」

そんな小さなコミュニケーションが、お子さんの回復力を引き出す一番の薬になります。

一人で悩まず、まずは体の中から整えていきましょう。

なぜ中学生に多い?起立性調節障害で朝起きられない原因「エネルギー不足」の治し方