【鍼灸師が解説】更年期の動悸を和らげるツボ3選|簡単ツボ押し&セルフ灸ガイド

- 急に胸がドキドキして不安になる。
- 何もしていないのに心臓の鼓動を強く感じる。
- 夜、布団に入ると動悸が気になって眠れない。
「検査では異常なし。でも、この感じがつらい…」
そんな更年期に起こる動悸を、「年齢のせいだから仕方ない」と我慢していませんか?
動悸は命に関わるものではないと分かっていても、「また起きたらどうしよう」という不安が重なり、心も体も休まらなくなってしまう症状です。
実は、更年期の動悸はホルモンバランスの変化だけでなく、自律神経の乱れや血の巡り、体力低下が複雑に関係しています。
今回は、鍼灸師が臨床で用いている更年期の動悸を和らげる3つのツボと、ご自宅でできるセルフケアを分かりやすく解説しますね。
ぜひ、今日から試してみてください。
東洋医学からみる「更年期の動悸」の原因

東洋医学では、動悸を「心悸(しんき)」という状態として捉えます。
本来、心(しん)は血やエネルギーにしっかりと養われ、穏やかに拍動しています。
しかし、更年期になると
- ホルモン変動による自律神経の乱れ
- 血やエネルギーの不足
- ストレスによる緊張
が重なり、心が不安定になりやすくなることも。更年期の動悸は、主に次の3タイプに分けて考えることができます。
1. 自律神経が乱れる「気逆」タイプ
エネルギー(気)が本来の流れに逆らい、上へ突き上げてしまう状態です。
特徴
- 急にドキッとする
- 不安感や焦りを伴う
- のぼせやすい
原因
ストレス、緊張、ホルモン変動による自律神経の乱れ。

2. エネルギー不足による「気血両虚」タイプ
心を養う「血」と、それを巡らせる「気」の両方が不足し、拍動のリズムが不安定になっている状態です。
更年期では、ホルモン変化に加え、長年の疲労の蓄積によって、このタイプに陥る方が非常に多く見られます。
特徴
- 疲れると動悸が出やすい
- 息切れしやすい
- めまい、立ちくらみ
- 眠りが浅い、夢をよく見る
- 朝起きても疲れが残る
原因
加齢による回復力の低下、慢性的な疲労、睡眠不足、食事量・栄養不足。

3. 体を支える力が弱い「心腎不交」タイプ
更年期特有の、心と腎(生命力)の連携不足です。
特徴
- 夜に動悸が出やすい
- 不安感、焦燥感
- ほてりや寝汗
- 夜間頻尿もあり
原因
更年期による体力・エネルギー低下。体をクールダウンさせる機能が弱り(腎虚)火照りやのぼせも。
鍼灸師の視点
実際の臨床では、自律神経の乱れ+体力低下が同時に起きている方がほとんどです。
「疲れているのに休めない」この状態が、動悸を繰り返す大きな原因になります。
【タイプ別】更年期の動悸を和らげる3つのツボ
1. 気の逆流を整える『尺沢(しゃくたく)』
場所:肘の内側のしわの上。力こぶを作ると浮き出る「上腕二頭筋腱」の外側のくぼみ。
尺沢は、呼吸と「気の流れ」を整えるツボです。
更年期の動悸では、心臓そのものよりも、ストレスや緊張によって気が上にのぼり、胸や喉につかえる「気逆」が原因になっていることが少なくありません。
尺沢は、上に昇った気を下ろし、息苦しさや胸のつかえ感をゆるめながら、動悸を落ち着かせてくれます。
こんな時に
- 急にドキッとする動悸が出る
- 動悸と一緒に息苦しさを感じる
- 緊張や不安で呼吸が浅くなりやすい
- 更年期のほてりと動悸が同時に出る時
押し方
親指でゆっくりと深く押し込み、深呼吸しながら10秒キープ。左右それぞれ2セット。
お灸も相性が良く、1日1個がおすすめ。
2. 不安と緊張を鎮める『内関(ないかん)』
場所:手首のしわから、肘に向かって指幅3本分進んだところ。腕の中央にある2本の筋の間。
内関は、心臓と自律神経をつなぐツボです。
動悸そのものだけでなく、「不安・緊張・ザワザワ感」など、心の揺れからくる動悸に効果を発揮します。
更年期では、ホルモン変動やストレスによって自律神経が乱れやすく、理由のない不安とともに動悸が出ることがよくあります。
内関は、こうした心と体の緊張を同時にゆるめる役割を持っています。
こんな時に
- 緊張するとすぐドキドキする
- 原因不明の不安感がある
- 人前や夜に動悸が出やすい
- 血の気のひくような気持ち悪さ
押し方
親指でゆっくりと深く押し込む。
呼吸を止めず、吐く息に合わせて圧を入れるのがポイント。
左右それぞれ、1日1回お灸もおすすめ。
③ 体の土台を支える『太渓(たいけい)』
場所:内くるぶしとアキレス腱の間にある、指がスッと入るくぼみ。
太渓は、「回復力」を司るツボです。
更年期の動悸では、加齢や疲労の蓄積によって体を支えるエネルギーが不足する「気血両虚」の状態になっていることが少なくありません。
太渓は、生命力の源とされる「腎」の働きを補い、動悸の背景にある疲れ・冷え・回復力の低下を底上げします。
こんな時に
- 疲れると動悸が出やすい
- 眠りが浅く、朝スッキリ起きられない
- 足腰のだるさや冷えを感じる
押し方
親指でゆっくり押し、じんわり響くところを探す。
5〜10秒押して離すを、左右それぞれ2〜3回。
冷えがある方はお灸との相性が特に良いツボです。
セルフ灸のやり方(更年期の動悸)
①用意するもの
市販のお灸(台座灸・せんねん灸など初心者向けがおすすめ)
ライター or チャッカマン
灰皿または耐熱皿
タオル、水(熱を感じすぎた時のため)、保冷剤でもOK
②お灸をする前のポイント
施術前に 軽く膝周りをさする(血流が上がり、熱が通りやすくなる)
食後30分は避ける
できれば 毎日同じ時間帯 に行うと効果が出やすい
同じツボに1壮/日までが基本
③お灸の手順
手順①:ツボを軽く押して確認
→「ズーン」と響くポイントが適切。
手順②:お灸をセット
→台座灸の底部シールを剥がし、ツボに貼る。
手順③:火をつける
→先端に火をつけ、煙が安定したら深呼吸。
手順④:温かさがじんわり広がるのを感じる
→熱すぎたらやめてOK。無理はしない。
手順⑤:燃え尽きたら外し、軽く押さえる
→手のひらで3秒ほど温めて蓋をするイメージ。
最後に:更年期の動悸は「我慢する症状」ではありません

- 年齢のせいだから仕方ない
- 検査で異常がないから大丈夫
- 更年期だし過ぎるまで待つしかない
そう言い聞かせながら、不安を抱え続けていませんか?
更年期の動悸は、体が変化に適応しきれず、助けを求めているサインです。
放置すると、不安 → 緊張 → 動悸という悪循環が強まり、睡眠障害やパニック症状につながることもあります。
セルフケアで改善しない場合は、自律神経や体力の土台から整える視点が必要です。
「これって相談していいのかな?」そう感じたときこそ、早めに専門家へ相談してください。




