【鍼灸師監修】喉の詰まり(ヒステリー球)に効くツボ4選|ツボ押し&セルフお灸ガイド

  • 喉に何かが詰まっているような感じがする。
  • 飲み込めるのに、常に違和感が残る。
  • 緊張すると、喉がギュッと苦しくなる。

そんな喉の不調でお悩みではありませんか?

病院で検査をしても「異常はありません」と言われてしまう。それでも症状が続く場合は、ヒステリー球(咽喉頭異常感症)の可能性があります。

ヒステリー球は、喉そのものの問題ではなく、ストレス、自律神経の乱れ、気の巡りの滞りが深く関係しているため、鍼灸では全身のバランスを整えるアプローチを行います。

今回は、鍼灸師が臨床でよく使う「ヒステリー球に効く3つの特効穴(ツボ)」*と「自宅でできるセルフケア(お灸・ツボ押し)」*をまとめました。

症状の出方(詰まり感・息苦しさ・不安感が強いタイプ)に応じて使い分けられるので、ぜひ今日から試してみてください。

ヒステリー球(喉の詰まり)に効くツボ4選

① 天突(てんとつ)

場所: 鎖骨の間、喉のくぼみ
喉の詰まり感に最も代表的なツボ
刺激方法:お灸(1日1回)

気の流れを通し、圧迫感・息苦しさを和らげます。

不安で呼吸が浅くなっている方にもおすすめ。

② 尺沢(しゃくたく)

場所:肘の内側のしわ上、上腕二頭筋腱の外側
作用:肺の働きを整え、急な咳・喘鳴・痰の改善に効果
刺激方法:指でゆっくり押し込み、深呼吸しながら10秒キープ×左右2セット

③ 合谷(ごうこく)

場所:手の甲、親指と人差し指の骨の交わる間のくぼみ
作用:顔や頭部の血流を巡らせる万能ツボ。頭痛、歯痛、目の疲れに効果
刺激方法:軽く押したり円を描くようにマッサージ、お灸もおすすめです

④ 内関(ないかん)

場所:手首の内側、手首横じわから指3本分上、2本の腱の間
作用:自律神経を整え、吐き気やめまいを伴う偏頭痛の緩和に有効
刺激方法:3秒かけて押す→3秒キープ→3秒かけて離す。左右3回ずつ
注意点:強く押すよりも、リズムよく心地よい圧で刺激する

セルフ灸のやり方(初心者ガイド)

①用意するもの

市販のお灸(台座灸・せんねん灸など初心者向けがおすすめ)
ライター or チャッカマン
灰皿または耐熱皿
タオル、水(熱を感じすぎた時のため)、保冷剤でもOK

②お灸をする前のポイント

施術前に 軽く膝周りをさする(血流が上がり、熱が通りやすくなる)
食後30分は避ける
できれば 毎日同じ時間帯 に行うと効果が出やすい
同じツボに1壮/日までが基本

③お灸の手順

手順①:ツボを軽く押して確認
「ズーン」と響くポイントが適切。

手順②:お灸をセット
→台座灸の底部シールを剥がし、ツボに貼る。

手順③:火をつける
→先端に火をつけ、煙が安定したら深呼吸。

手順④:温かさがじんわり広がるのを感じる
熱すぎたらやめてOK。無理はしない。

手順⑤:燃え尽きたら外し、軽く押さえる
→手のひらで3秒ほど温めて蓋をするイメージ。

※1分でわかるセルフ灸のやり方(手順)を参考に

最後に:ヒステリー球(喉の詰まり)は放置せず「早めのケア」を

ヒステリー球は、「そのうち気にならなくなるだろう」と放置してしまうと、違和感を繰り返し、次第に症状が長引いたり強く感じやすくなることがあります。

その背景には、

  • ストレスへの感受性が高まり自律神経が乱れる
  • 胃腸の不調も重なり、会食恐怖症で喉が詰まる
  • 首・喉・胸まわりの緊張が慢性化する
  • 呼吸が浅くなり、喉に意識が集中しやすくなる

といった悪循環が関わっています。

一度このループに入ると、喉の違和感が気になる→意識が喉に集中する→さらに緊張して詰まり感が強くなる→不安が増す。

という流れができてしまい、症状がなかなか抜けなくなることも少なくありません。

ヒステリー球は、我慢してやり過ごものではなく、「適切なケアを続けることで改善・コントロールが可能な症状」です。

喉の違和感が続くときは、どうか一人で抱え込まず、自律神経や体の緊張に目を向けたケアを、早めに取り入れてみてください。

必要であれば、鍼灸など専門家のサポートを受けることも、回復への大きな近道になります。