慢性腰痛
- 腰が痛いのでマッサージや整体を受ける
- 腰痛がひどいので痛み止めを飲む
- 腰の筋肉に電気治療をする
たしかに一時的に痛みは良くなりますし、楽になるケースもあります。
とはいえ、「施術を受けてもすぐに痛みが戻る」「痛み止めが切れると腰痛が再発する」という方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は「腰痛の原因と改善法」を西洋医学と東洋医学の観点からお伝えできればと思います。
なるべくわかりやすく解説していくので、腰痛でお困りの方はぜひ最後までご覧ください。
西洋医学における腰痛の原因
2019年に日本整形外科学会と日本腰痛学会が合同で発表した「腰痛診療ガイドライン」では、以下のようなことが言われております。
腰痛の原因
- 椎間関節性:22%
- 筋・筋膜性:18%
- 椎間板性:13%
- 狭窄症:11%
- 椎間板ヘルニア:7%
- 仙腸関節性:6%
- 原因不明:22%
このデータから読み取れることは、全体の約3割は構造的(椎間板・ヘルニア・狭窄)に問題があるケース、それ以外の7割は筋肉・関節・原因不明による腰痛であることがわかります。
西洋医学の強みは構造的原因(椎間板・ヘルニア・狭窄)に対して、画像検査・手術療法ができるという点になります。
一方、筋・筋膜性・関節性・原因不明による腰痛に対しては、痛み止めや湿布を処方することしかできません。
中には運動療法を取り入れている病院もございますが、原因不明の腰痛には対応できないのが現実となります。
東洋医学における腰痛の原因
まず東洋医学の大原則として、痛みの起こる原因を下記の2つに分類します。
- 不通則痛(ふつうそくつう)
- 不栄則痛(ふえいそくつう)
1つ目の不通則痛とは体内を巡る「気・血・水」が停滞している状態のこと。
2つ目の不栄則痛とは十分な栄養が各組織に送れていない状態のことを指します。
「気血水」とは身体を構成するの3つの要素であり、東洋医学の考えでは気血水がスムーズに体内を循環することで健康が維持されると考えます。
気:我々の生命活動を支えるエネルギー(元気)
血:カラダに栄養を与える血液
水:カラダに潤いを与える血液以外の体液
つまり、東洋医学の治療では「気血水」を循環させることで、各細胞・関節・筋肉に栄養や潤いを与え、痛みのないカラダを作ります。
そして、気血水を循環させるには五臓六腑(内臓)の働きが必要不可欠です。
鍼灸や漢方薬は五臓六腑の状態を整え、気血水の巡りをよくすることできる治療となります。
腰痛の改善法
ここまで西洋医学・東洋医学の観点から腰痛の原因を解説してきました。
次に、なぜあなたの腰痛が一向に改善されないのかをお伝えしていきます。
結論からお伝えすると、「原因に対して治療をできていないから」ということです。
先ほども説明したように、腰痛といっても様々なタイプがあります。
例えば、本当に椎間板が突出しており、寝ていてもシビレや痛みが出る場合は手術が必要なケースもございます。
一方で、寝ていれば痛みはない、朝起きると腰が痛い、動き始めに腰が痛くなるというケースは身体の機能面(気血水)に問題があるケースがほとんどです。
つまり、「どんな治療をするか」よりも「どこの治療をするか」のほうが大切であり、原因別に治療をしていくことが重要となります。
東洋医学の適応な腰痛
先ほどもご説明したように、東洋医学の鍼灸治療(経絡治療)は、五臓六腑の状態を整え、気血水の巡りをよくすることができる治療法です。
そのため、手術を必要としない腰痛に対しては、気血水の巡りをよくすることで改善に導くことが可能となります。
具体的には、朝起きて腰が痛い、夕方にかけて腰が痛くなる、前屈のみで腰が痛いなど、特定の動作や時間で腰痛が起こるものが適応となります。
よくある勘違いとして、鍼灸整骨院やカイロプラティックなども東洋医学の治療院に分類されることがあります。
しかし、これらの治療院は東洋医学の治療院には該当されません。
東洋医学のみで治療を行なっている鍼灸院は「脈・腹・舌」などの状態も診ていき、あなたの身体の状態を把握していくことが特徴となります。
最後に
どこにいっても改善されない腰痛をお持ちの方は、原因に対してちゃんと治療ができていないからかもしれません。
マッサージや整体ですぐに痛みが戻るのは、一時的に循環を良くしているだけで身体の機能を上げているわけではないからです。
もしあなたがその場しのぎの改善でなはく根本から腰痛を改善したいのであれば、ぜひ東洋医学の門を開いてみることをお勧めいたします。