動悸
動悸とは自分の心臓の拍動に敏感になって、不快感や違和感を自覚する状態のことを言います。
動悸の原因は大きく分けると下記の2つです。
- 心臓に疾患のあるもの
- 心臓に疾患のないもの
1つ目の心臓に疾患のあるものとは、心房細動・心室細動・心臓弁膜症・血栓・不整脈など心臓に問題があるケースを指します。
2つ目の心臓に疾患のないものとは、精神性の動悸、不安神経症、発熱、貧血、甲状腺機能亢進症、肺疾患、低血糖などが挙げられます。
今回は「心臓に疾患のない動悸の原因と改善法」を治療家歴10年の立場から解説できればと思います。
基本的に心臓に疾患のある場合は、命に関わることなので手術や薬物療法が必要です。
一方で心臓に疾患のない場合は、東洋医学的治療をすることで改善することができます。
病院に行っても「特に異常はなく、経過観察しましょう!」と言われている方は、ぜひ参考にされてください。
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東洋医学における動悸の原因
東洋医学では動悸の原因を下記の4つに分類します。
- 気滞(きたい)
- 瘀血(おけつ)
- 血虚(けっきょ)
- 肝心旺盛(かんしんおうせい)
それぞれの特徴を解説していきます。
①気滞
カラダを巡る気が停滞している状態を「気滞」と言います。
東洋医学では、「気血水」の3つが体内をスムーズ循環することで健康が維持されると考えます。
気の巡りが悪くなると、自律神経が緊張しやすく交感神経優位となり、心臓の拍動も早まります。
すぐできる対処法としては、
- セロリ・三つ葉などの香味野菜
- レモン・オレンジなどの柑橘類
- ミントやハーブ類
などで気を巡らすことが大切です。
また、ストレスは気の巡りを悪くするので、なるべくストレスを減らす(発散する)ことを心がけてみてください。
あとは軽く運動をして汗を流しましょう!
②瘀血
血の循環が悪い状態を「瘀血」と言います。
瘀血はスムーズに血液が流れないため、血栓や高血圧などになりやすく心臓の拍出量も増えて動悸となります。
今すぐできる対策は、血をサラサラにする食材を摂ること。
例えば、青魚、ネギ、らっきょう、にら、玉ねぎ、生姜、ニンニク、桃、黒糖など。
血行を良くするにはカラダを動かしたり、お風呂にしっかり浸かったり、冷たいものを摂らないことも大切です。
③血虚
血が不足している状態を「血虚」と言います。
カラダの隅々まで栄養を運ぶ「血」が不足すると、心臓への負担も増えて動悸につながります。
また、東洋医学では「心血不足」といって、そもそも心臓の活動に必要な血液が足りず不安感、動悸、不眠になる方もいらっしゃいます。
今すぐできる対策は、「血を作る」赤と黒の食材を摂ること。
例えば、黒豆・黒ごま・トマト・にんじん、いちご、クコの実、ナツメ、ひじき、たこ、海苔、牡蠣、レバー、緑黄色野菜など。
また、目を酷使し過ぎると「血」を消耗するとも言われています。パソコンやスマホの使いすぎにはご注意ください。
④肝心旺盛
五臓の「肝」「心」の働きが旺盛になり、動悸を引き起こすケースです。
五臓とは「人間のカラダに必要な機能や働きを(肝・心・脾・肺・腎)の5つに分類したもの」を言います。
※東洋医学では肝臓や心臓などの「内臓器官」だけを診るのではなく、より深い機能や働きを5つのグループに分けて身体の状態を診ていきます(下図参照)
中でも「肝(臓)」の働きは血液を貯蔵し、全身の血液量をコントール、「心(臓)」はポンプ作用、五臓全てを統括し精神活動を安定させる役割があります。
更年期障害、子宮の病気、多汗症、ストレス過多などで五臓の「肝」「心」の働きが旺盛になると、それに伴い動悸を発症することがあります。
おすすめは苦味のある食材を摂取すること。
例えば、ゴーヤ、冬瓜、セロリ、パセリ、緑茶、フキ、コーヒーなど。
苦味のある食材は体内の熱を抑えたり、心(臓)の高ぶりを抑えることができます。
以上、4つのタイプ別に動悸の原因や対策をお伝えしてきました。
ここまでお伝えしたのは、あくまでも対処療法です。
動悸の症状が頻繁にある方は、早めに専門家に受診することをおすすめ致します。
動悸に対する鍼灸治療・生活習慣アドバイス
当院では中国4000年の歴史を誇る「経絡治療」を軸に、ツボを用いて五臓六腑の働きを高め、気血水の循環を良くする治療をしていきます。
先ほど説明した4つのタイプがあるように、心臓に疾患のない動悸は動悸以外にも必ず症状があります。
つまり、タイプ別に治療を行えば動悸を改善することができるということです。
また当院では、鍼灸治療だけでなく日常生活のアドバイスもさせていただきます。
初回来院時に体質別の養生集をプレゼント、すぐできる呼吸法などもアドバイスしております。
もしあなたが心臓に疾患のない動悸でお悩みなら、ぜひ一度当院にご相談ください!