逆子
妊婦さんであれば、「赤ちゃん反対になってるね〜」「30週くらいまでには元に戻ると思いますよ〜」と産婦人科医から言われた経験もあるのではないでしょうか?
実際のところ、胎児は妊娠中期までぐるぐると子宮内で体勢を変えますが、妊娠後期になると頭が重くなり分娩が近づくにつれ頭が下にきます。
産婦人科専門医によると、妊娠中期までは30〜50%の胎児が「逆子」になると言われていますが、34週目を過ぎてから「逆子」の場合は80%以上が逆子のまま出産となり、難産になる可能性が高くなると言われております。
しかし、西洋医学(科学)では逆子の原因は解明されておらず、外回転術による治療、他の方法として逆子体操やポジショニング指導のみとなってしまうのが現状です。
一方、1500年以上の歴史がある東洋医学では「逆子の灸」で有名な至陰穴を用いながら、母体に負担をかけずに逆子を改善することができます。
そこで今回は東洋医学の観点から「逆子の原因と改善法」についてお伝えしていきますので、ぜひ逆子でお悩みの方は最後までご覧ください。
逆子の原因と改善法
東洋医学では逆子の原因を以下の3つに分類します。
- 気血両虚(きけつりょうきょ)
- 気滞(きたい)
- 脾虚(ひきょ)
上記3つは母体の状態となりますが、それぞれの特徴と改善法を説明いたします。
①気血両虚(きけつりょうきょ)
このタイプは妊娠前から虚弱体質で、妊娠中に「気血」が消耗している方を言います。
「気」とは内臓を動かしたり、身体を温めるエネルギー(元気)のことで、「血」とは血液+血液が運ぶ栄養や酸素のことを指します。
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妊娠中は胎児にも栄養を運ばなくてはいけないですが、母体の気血が消耗すると胎児にも十分な気血を送れないため、結果的に胎児の動きが無くなり逆子が起こります。
鍼灸での施術
鍼灸では「至陰、足三里、関元、三陰交」のツボを用いて、母体の気血を補いながら冷えを改善する施術を行います。
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②気滞(きたい)
気滞とは「気」の巡りが悪い状態を言います。
東洋医学では身体を構成する物質は「気血水」の3つと考え、それらが絶えず循環していれば健康体と考えます。
しかし、妊娠時における内臓の圧迫、ストレスによるイライラ、寒冷刺激などにより気の流れが停滞すると、胎児の転位が阻害される要因になると言われております。
鍼灸での施術
鍼灸では「至陰、太衝、膻中、内関」のツボを用いて、気の巡りを良くしながら至陰(逆子の灸)の刺激を行っていきます。
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③脾虚(ひきょ)
五臓六腑の1つでもある「脾」は消化器系のことを指しており、脾が弱ると「水滞」といって余分な水分を排泄することができなくなり、身体の中に停滞します。
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余分な水分が停滞すると、お腹は張りやすくなり胎児の転位にも影響を与え、むくみ、尿量がすくなるといった症状も出てきます。
鍼灸での施術
鍼灸では「至陰、陰陵泉、太白、中脘、三陰交」のツボを用いて、脾(消化器系)を強くしながら至陰(逆子の灸)に施術を行っていきます。
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最後に
鍼灸では古くから逆子の施術が行われてきました。
母体の状態や赤ちゃんの向きによってアプローチ方法は異なりますが、身体に負担をかけず逆子を改善できるのが鍼灸の良さと言えるでしょう。
出産間近になると、動くのがしんどかったり、不安なども増えると思います。
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当院では鍼灸だけでなく体質別の養生冊子もお渡ししており、患者様の状態に合わせて施術や対策をお伝えしております。
ぜひ逆子でお困りの方はお気軽にご相談ください。