【鍼灸師が解説】梅雨時期の養生法【おすすめの食材・ツボを紹介します】

- update更新日 : 2021年08月02日
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「梅雨になると頭痛がする」

「むくみや身体の重だるさが出る」

「ひどい時は胃痛や下痢になる」

 

という方も多いのではないでしょうか?

 

東洋医学ではこれらの原因=湿邪(邪気)が悪さをしていると考え、身体の中に侵入した湿邪を取り除く治療をしていきます。

 

とはいえ、

  • 湿邪って何?
  • 邪気とか怪しいなぁ
  • 自分でできる予防法はないの?

と疑問を抱く方も多いと思います。

 

そこで今回は「誰でもできる湿邪対策法」を鍼灸師の観点からお伝えできればと思います。

 

具体的には、

  1. 湿邪とは何か
  2. 湿邪が身体に及ぼす影響
  3. おすすめの食材
  4. ケアしてほしいツボ
  5. 日常生活で気をつけること

という順番で重要なポイントだけを解説していきます。

 

記事は3分ほどで読み終わり、湿邪を取り除くヒントになると思うのでぜひ最後までご覧ください。

 

▼ 動画で見たい方はこちら。

 

湿邪とは何か?

 

結論からお伝えすると、

 

「身体の中にある余分な水分」もしくは「余分な水分を作りだす原因となるもの」を総称して湿邪と言います。

 

漢方では病気をもたらす原因を内因、外因、不内外因に分けて考え、この中で湿邪は内因(内湿)と外因(外湿)に分けることができます。

 

内湿とは甘い物や脂っこい物の摂りすぎ、お酒の飲み過ぎ、胃腸が弱っているなど、カラダの中が原因で発生する湿邪のこと。

 

一方外湿とは、梅雨時期の雨・気圧の変動など自然界の変化が原因で発生する湿邪のこと。

 

今回お伝えする湿邪とは、主に梅雨時期の雨で発生する湿邪(外湿)のことを指します。

 

湿邪が身体に及ぼす影響

 

湿邪が身体の中に侵入すると、様々な病を引き起こします。

 

例えば、身体の重だるさ、頭痛、めまい、むくみ、痰、消化不良、胃もたれ、下痢、下肢のだるさなど。

 

湿邪が厄介な理由は2つあって、

 

1つ目は湿邪に入られすぎると体外へ排泄するのに時間がかかるということ。

 

2つ目は他の邪気(熱邪や寒邪)とくっついて、さらにパワーアップし身体に悪さをするということ。

 

上記2つがあります。

 

対策は早めの対処と日々の養生が重要です!

 

ここからおすすめの食材、どんなツボで対策をしていけば良いのかをお伝えしていくのでぜひ参考にしてみてください。

 

梅雨時期におすすめの食材

 

梅雨時期におすすなの食材は下記の4つです。

 

  • 胃腸を元気にする食材
  • 利水・利尿作用のある食材
  • 気の巡りをよくする食材
  • 身体を温め発汗を促す食材

 

1つずつ解説していきますね!

 

胃腸を元気にする食材

 

お米、山芋、長芋、さつまいも、じゃがいも、とうもろこし、かぼちゃ、キャベツ、鶏肉、牛肉、サバ、アジなど。

 

上記を積極的に摂りましょう!

 

なぜ胃腸を元気にする必要があるのかというと、東洋医学では「※脾は湿を嫌う」と言われ、雨(湿気)が多い日は消化器系(胃腸)が弱りやすくなるからです。

 

※脾とは主に消化器系全般(唾液・消化腺・胃腸など)のことを指します

 

胃腸が弱ると何となくだるい、元気が出ない、消化不良、食欲不振、むくみなどの症状が出てくるので対策していきましょう。

 

利水・利尿作用のある食材

 

これは言うまでもありませんが、入らない水は体外へ排泄しましょう!

 

利水・利尿作用のあるおすすめ食材は、

 

小豆、黒豆、そら豆、とうもろこし、ハトムギ、しじみ、あさり、冬瓜、きゅうり、スイカなど。

 

胃腸が弱い方は加熱した料理がおすすめです!

 

気の巡りをよくする食材

 

漢方では「気の巡りが良いこと=代謝がいい」と考えます。

 

代謝が良くなると水分や血液の循環がよくなり、結果的に余分な水を排泄することにつながります。

 

おすすめは苦味のある食材、パクチー、しそ、セロリなどの香味野菜、ジャスミン、ミントなのハーブ類、レモンやグレープフルーツなどの柑橘類。

 

日々の食事にうまく摂り入れていきましょう!

 

身体を温め発汗を促す食材

 

発汗を促し、余分な水を汗として排泄しましょう!

 

おすすめは、生姜、ねぎ、山椒、唐辛子、ミョウガ、にんにく、シナモン、紅茶など。

 

薬味でもいいので料理の一品として取り入れてみてください。

 

おすすめのツボ

 

次におすすめのツボを紹介していきます。

 

下記の3つです。

  • 豊隆
  • 陰陵泉
  • 中脘

それぞれの取り方や場所を解説します。

 

豊隆(ほうりゅう)

 

豊隆は利湿作用(湿を体外へ追い払う)や疏経活路と言って気血の流れをスムーズにし消化吸収能力を高めてくれるツボになります。

 

🔻取り方

膝のお皿の下と外くるぶしを結ぶ線上/スネの筋肉のやや外側にとる

 

左右お灸を3壮ずつしましょう!

 

陰陵泉(いんりょうせん)

陰陵泉は「水穴」と言って水の性質があるツボとなり、むくみや痰の除去に用いることが多いです。

 

🔻取り方

内くるぶしから膝方向に上がっていき、膝下で指が止まる所

 

左右お灸を3壮ずつしましょう!

 

中脘(ちゅうかん)

中脘は梅雨時期に関係なく日々のケアに取り入れてほしいツボ。

 

胃腸の状態を整えてくれる万能なツボとなります。

 

🔻取り方

みぞおちと臍の間/凹んでる所を探す

 

中脘もお灸を3壮してみてください。

最後に

 

最後に梅雨時期の注意点をお伝えして終わりますね!

 

▼意識してほしいこと

  • 冷たいもの、脂っこいもの、甘いものの摂りすぎ
  • お酒の大量摂取
  • 衣服はしっかり乾燥させる
  • よく噛む

上記の生活習慣は主に胃腸を弱らせる原因となります。

 

基本的には胃腸を守りながら、余分な水分を排泄することが大切です。

 

今回お伝えしてきた内容はあくまでも一部ですが、生活習慣(特に食事)に気をつけるだけでも身体は楽になります。

 

ぜひご自身にできるものを取り入れてみてください^ ^

 

今回は以上です。