自律神経失調症は治りません!

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こんにちは、クボ鍼灸院です。

最近、「自律神経失調症は治るんですか?」という質問をよくいただきます。

正直にお伝えすると、自律神経失調症は“治す対象”ではない、ということです。

そもそも自律神経失調症とは、病名ではなく、動悸、めまい、吐き気、倦怠感、腹痛、頭痛やイライラなど、複数の症状が同時に出ている状態をまとめた言葉です。

つまり、自律神経そのものが壊れているわけではありません。

血管や内臓、神経が完全にダメになっているわけではなく、体が“疲れているサイン”として症状が現れているのです。

東洋医学では、この状態を五臓六腑の弱りと考えます。

つまり肝・心・脾・肺・腎などの内臓の働きが弱まると、自律神経の調整力が落ち、結果、体の各所にさまざまな症状が現れるという考え方です。

ですから、整えるべきなのは自律神経そのものではなく、自律神経を支える土台となる五臓六腑。

ここが安定すれば、自然と自律神経も落ち着いていきます。

鍼灸師として大切にしていること

鍼灸師は医師のように血液検査や画像診断で直接原因を特定できるわけではありません。

だからこそ、四診(脈診・腹診・舌診・問診など)といったを通して、体の声を丁寧に拾い上げます。

「どの内臓が弱っているのか」「どこに血流や気の滞りがあるのか」を見極めることで、一人ひとりに合った施術が可能になります。

鍼灸では、内臓や血流、筋肉の緊張を整えることで、結果として自律神経のバランスも自然に整っていきます。

施術中に「自律神経が直接整う」わけではありませんが、土台が整うことで、症状は少しずつ落ち着き、体全体が軽くなる感覚を実感される方が多いです。

結局のところ、自律神経失調症は“治すもの”ではなく、体の土台(五臓六腑)を整えることで自然に改善していく状態なのです。

ですから、症状に振り回されず、まずは体全体の調子を丁寧に整えることを目標にしてみてください。

日々の小さなケアや、鍼灸での全身調整が、結果的に自律神経のバランスを取り戻す近道になります。