【潰瘍性大腸炎】活動期と寛解期の食事メニュー|悪化させない食材と簡単レシピ

潰瘍性大腸炎(UC)は、毎日の「食事」が体調を大きく左右します。

ちょっとした食材でお腹が痛くなったり、下痢が続いたり…。

「これを食べても大丈夫?」「腸を刺激して悪化したらどうしよう…」

そんな不安を抱えている方も多いと思います。

活動期は腸が敏感になり、寛解期でも合わないものが分かりにくいのがUCのつらさ。

西洋医学ではリーキーガット、東洋医学では脾胃虚弱・肺(大腸)の弱り・冷え(腎虚)などが関係します。

この記事では、

  • 寛解期と活動期の食事の切り替え
  • 腸を刺激しない食材選び
  • 薬膳×栄養学の「温める/冷やす食材」
  • 安心して作れるレシピ(れんこん卵スープ、かぼちゃポタージュ等)

をわかりやすくまとめました。

この記事を読むことで、潰瘍性大腸炎でも“安心して選べる食事”が分かり、症状を悪化させない食材選びとシンプルなレシピが身につきますので、ぜひ参考にしてください。

潰瘍性大腸炎の寛解期と活動期の違い

潰瘍性大腸炎では、症状の強さによって「食事の目的」が変わります。

大きく分けると活動期と寛解期の二つです。

腸の状態食事の目的食べやすい例避ける例
活動期炎症・過敏あり腸を守るやさしいスープ、ペースト状食品、温かいおかゆ繊維多い野菜、香辛料、生もの、冷たい飲み物
寛解期腸が落ち着いている栄養補給・腸修復良質なタンパク質、温野菜、消化しやすい炭水化物

刺激の強い食品は控えめ

活動期でも栄養不足にならないよう、やさしいスープやペースト状の食品で補うことが大切です。

寛解期には少しずつバリエーションを増やし、腸の粘膜を修復する栄養素を意識しましょう。

リーキーガット(腸漏れ)が潰瘍性大腸炎を悪化させる理由

潰瘍性大腸炎(UC)の症状は、腸のバリア機能が低下することで悪化しやすいことが研究(論文)でも知られています。

このバリア機能の低下は「リーキーガット」と呼ばれる状態で、腸壁の隙間が広がり、未消化の食べ物や腸内細菌、老廃物が血流に入りやすくなる状態です。

この状態が続くと、免疫が過剰反応して炎症を悪化させ、下痢や腹痛、血便といった症状を引き起こす原因になります。

特に活動期には、腸への刺激を最小限にしつつ、栄養を取り入れて腸の回復をサポートする食事が重要です。

東洋医学の観点では、脾胃の虚弱(消化吸収力の低下)、肺虚(大腸の機能低下)、慢性的には腎虚(冷えや疲労)などが腸のバリア機能低下に関係していると考えられています。

食事を通して、腸内環境を整えつつ体を温めることが、UCの悪化を防ぐポイントです。

東洋医学からみる潰瘍性大腸炎と体質の関係

潰瘍性大腸炎(UC)は、腸だけの問題ではなく、体全体のバランスの乱れが影響していると東洋医学では考えます。

特に以下の体質が関係しています。

①脾虚(ひきょ)

胃と密接に関連する脾の機能が弱ると、消化吸収力が低下し、栄養が体に届きにくくなる状態です。

下痢や腹痛、食欲不振などが起こりやすく、寛解期でも体力回復が遅れる原因になります。

②肺虚(はいきょ)

大腸と密接に関連する肺の機能が弱ると、腸の水分代謝や便通調整が乱れます。痰やガスが溜まりやすく、腸の過敏性を助長することがあります。

また、腸のバリア機能の低下は肺虚によって起こることが多いです。

③腎虚(じんきょ)

慢性的な体力低下や冷えを伴う状態で、慢性化したUCに多く見られます。

体の防御力や回復力が弱く、炎症が長引きやすい傾向に。

これらの体質は一人ひとり異なるため、施術や生活習慣の調整も個別に行うことが重要です。

次の章では、こうした体質に合わせた薬膳×栄養学の食材選びを紹介していきます。

薬膳×栄養学で選ぶ、潰瘍性大腸炎の食材

潰瘍性大腸炎の方が食事を選ぶとき、体を冷やす食材や刺激物は腸に負担をかけやすいので避けた方がいいです。

一方で、体を温める食材や消化に優しい食材を取り入れると、症状の安定や寛解期の維持に役立ちます。

また、調理法も重要です。腸への負担を減らすためには、蒸す・炒めるなど消化に優しい調理を中心に、揚げ物や脂っこい料理は控えることがおすすめです。

下記の分類を日々の食事選びの参考にしてみてください。

カテゴリ体を温める食材体を冷やす食材栄養学ポイント
タンパク質鶏肉、白身魚冷たい乳製品、アイス腸に優しいタンパク質を摂取
炭水化物かぼちゃ、さつまいも、白米、黒米冷たいパンや生野菜の大量摂取消化しやすくエネルギーになる
野菜・香味かぶ、小松菜、みょうが、生姜、にんじん、ネギ、ほうれん草キュウリ、トマト、ナスビタミン・ミネラル補給、体を温める
発酵食品味噌、納豆、漬物なし腸内フローラを整える補助
脂質・調味適量のオリーブオイルやごま油脂っこい食品、香辛料、アルコール腸に負担をかけない範囲で摂取

寛解期を維持するための「PFCバランス」

潰瘍性大腸炎の寛解期を維持するためには、食事の栄養バランスがとても重要です。特に意識したいのが、PFCバランス。

PFCとは、たんぱく質(Protein)・脂質(Fat)・炭水化物(Carbohydrate)の頭文字で、体の回復やエネルギー維持に欠かせない栄養の三本柱を指します。

潰瘍性大腸炎の寛解期におすすめの理想的な比率は以下の通りです:

  • たんぱく質30%:腸の粘膜や免疫力を支え、回復力を高める
  • 脂質20%:細胞膜やホルモンの材料、エネルギー源
  • 炭水化物50%:体や腸の活動に必要な主要エネルギー

PFCバランスを意識した食事は、腸だけでなく全身の回復力もサポートします。

寛解期におすすめ!潰瘍性大腸炎向けレシピ・メニュー例

寛解期を維持するためには、栄養バランスだけでなく、腸に優しい調理法や食材の選び方も重要です。

ここでは、PFCバランスを意識しつつ、簡単に作れるレシピ・メニューを紹介します。

山芋の煮付け

 山芋 ・かぼちゃ ・いんげん豆 ・鶏そぼろ かぼちゃはお腹を温め元気を生む食材です。

いんげん豆は余分な水分など(湿)を取り除き、山芋は胃腸を整え、身体に潤いを与えて、腎機能を高めます。

②かぼちゃのポタージュ

かぼちゃは体を温める作用があり、炭水化物(エネルギー源)を多く含む野菜です。

食物繊維も豊富です。さらに、抗酸化作用のあるビタミンA・C・Eが全て揃っており、鉄、カリウム、亜鉛なども含みます。

③すりおろし蓮根と卵のトロトロスープ

⚫︎材料
蓮根 200グラム すりおろし生姜 少し 水 2カップ 卵 1個 鶏ガラスープのもと ティースプーン1杯 塩、醤油 少し

⚫︎作り方

  1. すりおろした蓮根とショウガ、水を鍋に入れて煮込む
  2. トロトロ粘りが出てきたら、塩、鶏ガラスープ、醤油を入れて煮込む
  3. 溶き卵を垂らして卵に火が通ったら完成

④【砂糖無し】さつまいもクッキー

⚫︎材料
焼き芋100g バター20g 卵黄1個 黒ごま少々 塩少々 小麦粉80g

⚫︎作り方
材料を混ぜる→ラップに包む→冷やし固める→オーブン170℃で15分焼く→完成(冷凍保存可)

⑤鳥手羽元とらっきょうの黒砂糖煮

⚫︎材料
鳥手羽元6本
らっきょう10粒くらい
らっきょうの漬けてあった液50cc
黒砂糖15g
酒50cc
醤油50cc
水100cc

鍋に全部入れて、落し蓋をして、鶏肉がトロトロになるまで煮込めば出来上がりです。

⑥PFCバランスを意識した献立

・ネギたっぷり納豆ごはん
・かぼちゃのお味噌汁
・鶏と山芋の照り煮
・お豆入りポテトサラダ
・茄子といんげん豆の甘酢漬け

豆類、芋類、肉類、野菜、発酵食品などを混ぜれば十分です。あまり考え過ぎず色とりどりを目指しましょう。

⑦ 潰瘍性大腸炎の食事Q&A

Q1. 食べると腸を刺激してしまうのでは…怖いです

A. 食材の影響は個人差が大きいため、一概に「これを食べてはいけない」はありません。

腸にやさしい調理法(蒸す・煮る・炒める)と、PFCバランスを意識した食事で、腸への負担を減らせます。

Q2. 寛解期に気をつける食材は?

A. 体を冷やす食材や消化に負担のかかる揚げ物、辛い香辛料、加工食品などは控えめに。

温める食材(根菜・鶏肉・かぶ・小松菜など)や発酵食品を意識すると腸にやさしいです。

Q3. 活動期はどう食べればいい?

A. 腸粘膜の回復を優先し、消化にやさしい食事を中心に。

スープやおかゆ、柔らかく煮た野菜・タンパク質を少量ずつ摂るのがおすすめです。

食べなさすぎも腸のバリア機能が低下する要因になります。

Q4. 食事だけで寛解を維持できる?

A. 食事は重要なサポートですが、体質や腸内環境、ストレス、自律神経のバランスも影響します。

食事以外では睡眠とストレス軽減はとても重要です。より安定した寛解期の維持が可能となります。

Q5. レシピやメニューの参考はありますか?

A. 本記事で紹介したレンコンと卵のスープ、カボチャのポタージュ、簡単鍋など、PFCバランスを意識したメニューは寛解期におすすめです。

当院い寄せられた喜びの声

改善の声①

潰瘍性大腸炎を克服した患者様とのインタビュー動画。

2022年11月かに潰瘍性大腸炎と診断され、採血のCRP値(炎症マーカー)が35という極めて高い異常値を記録し、医師からは100人の1人の数値と言われる。

以降、トイレに1日30回近く通うほどの激しい症状に苦しみましたが、退院時でもCRPは4台後半の高値を示し、医師からは症状の強さにより治療の難しさが示唆されました。体重は62kg→42kgまで20kg減少し、筋力低下や歩行困難も生じていました。

医師からは、この薬が効かなければ大腸全摘出手術しか選択肢がないと告げられ、患者さんは手術を強く拒否。この間にもSNSやYouTubeで情報収集を進め、当院に希望を持って6月下旬に新治療を開始しました。初期は一日に10回に及ぶ頻繁な排便や熱が続き、著しい体調不良状態でしたが、鍼灸のサポートも取り入れながら徐々に改善を図りました。

鍼灸治療の取り組みと3カ月の劇的な改善、医師と患者の信頼関係、治療開始から3カ月が経過すると、CRP値は初期の4~5から徐々に減少し、7月末には0.18と正常値に近い数値まで改善。患者さんの体重も8kg増加し、食欲の回復や体力の向上が見られました。

現在は寛解期を維持しており、月に1回程度メンテナンスのため来院されています。

改善の声②

発症から6年、薬の効果もなく悪化し、切迫性便失禁・血便・肛門痛・腹痛に悩まされ、医師からは「次の薬が効かなければ大腸全摘」とまで言われる。

外出もできないほどの状態から、春に鍼灸治療を開始。初めはやっとの思いで週1回の通院を続け、数ヶ月でトイレの回数が1日15回→5回に減少、血便や切迫感も改善。

炎症マーカー(CRP)は0.01未満まで回復し、2年ぶりに九州の実家へ帰省できるまでに。

「体を温めて強くする鍼灸治療が、私の体質に合っていた。病院以外の選択肢としてぜひ知ってほしい」と語ってくださいました。

詳しくは動画をご覧ください。

改善の声③

2021年5月潰瘍性大腸炎の全大腸炎型を発症。炎症が少なかった為整腸剤で様子を見るも、2023年2月に悪化し投薬治療開始。

これ以上悪化したくないと思い、クボ鍼灸院のSNSを見て2023年10月から通い始めました。

潰瘍性大腸炎の他は、偏頭痛・逆流性食道炎・子宮筋腫など色々ある状態でした。

鍼灸院は始めて…しかも頻繁に通える距離でもないし不安だらけなことから、聞きたいこともろくに聞けず通っていました。

気づいたらいつもあった胃もたれやお腹の冷えがなくなり、2024年1月の胃の内視鏡検査は何の問題もなくクリア!

それ以降は少しずつですが、偏頭痛が少なくなり偏頭痛予防薬も痛み止めもいらなくなりました。

潰瘍性大腸炎でお腹にガスが溜まることもかなり少なくなり、つい先日の2024年4月の大腸内視鏡検査では腸が綺麗になり、減薬できることに!

松坂先生には食生活についてもアドバイスをしていただき、「絶対良くなります」と不安な状態に寄り添っていただいて感謝しています。

気づいたら酷かった首のコリも少なくなりました。鍼灸は速攻性のある時も沢山ありましたが、「気づいたらあの症状が良くなってきてる…」と思うこともしばしば。

通うとわかることが沢山ありびっくりしてます。これからも宜しくお願いします。

改善の声④

潰瘍性大腸炎で通院してます。

きっかけは自分の体調をもっと良くしたいと思い、久保先生のYouTubeを見たことでした。

2週間に1回のペースで通っていますがついに先日、ステロイドなしでCRP:0という数値も出ました。

生物学的製剤も使っていますが、ステロイドなしでCRPが0というのは初めてだったのでとても嬉しく、クボ鍼灸院での治療のおかげもあるなと思いました。

大腸以外のちょっとした不調でも相談でき、すぐに解決していただけるためこれからもお世話になろうと思っています。

改善の声⑤

潰瘍性大腸炎という持病を持っており、一年程前から通っています。

丁度その頃に症状が悪くなり困っていたのですが、たまたまHPで潰瘍性大腸炎の治療もできるというの目にし、ダメ元で1.2回だけでもと思い通いました。

すると不思議と治療をしていくうちに続いていた腹痛が減っていったりと症状がよくなっていきました。食事がまともに取れずにいたのですが、今では普通に人と同じくらいの食事ができ、減少してしまった体重も徐々に増えてきています。

また、誰にも話せないようなプライベートなどでの相談などもしっかりと聞いてくれアドバイスをくれたり、真面目に治療するのだけではなく、時々ふざけた話もしてくれるので、とても精神面的にも楽になります!!

クボ鍼灸院に出会い、身体がよくなりほんとに感謝しています!!ありがとうございます!!
これからもよろしくお願いします。

—2024年12月28日追記—

クボ鍼灸院に通院してから約3年が経ちました。以前までは毎週通院していたのですが、今では月に一度まで減らすことができました。

症状は時々でるため薬は飲んでいますが極端に悪くなることはありません。趣味の筋トレも再開でき、食事もしっかりと摂ることができているため減った体重も15キロ増やすことができました。

先生の高い施術力とアドバイス、なんでもお話ができるといった人柄のお陰です。他の先生方も来院するといつも優しく対応していただきとても通いやすいです!ありがとうございます!今後もよろしくお願いします!

最後に:潰瘍性大腸炎を克服できる

今すぐ始めるべき「免疫を整える」第一歩

潰瘍性大腸炎、クローン病など、自己免疫疾患で悩む方は、体の内側からのサインを見逃さないことが大切です。

東洋医学では、五臓六腑のバランスが免疫の暴走と関わっていると考えます。

ストレスや冷え、食事、ホルモンの変化など、さまざまな要因が重なることで、免疫の調整機能が低下してしまうのです。

当院では、弱った内臓の働きを補い、血流や自律神経を整える独自の鍼灸施術と東洋医学的アプローチを組み合わせ、体質や症状に合わせたオーダーメイド施術を提供しています。

血便、腹痛、倦怠感、下痢、発熱。

これらはすべて、体が発している小さなSOSです。あなたの「根本原因」を見極め、五臓六腑のバランスを取り戻すことで、免疫が安定した状態へ導きます。

諦めずに、調子のいい日を増やしていきましょう!