- 朝の関節のこわばりが続き、手を握るなどの簡単な動作も困難になる
- 痛みが波のようにやってきて、薬を飲んでも心身ともに疲弊し、活動量が低下する
- 治療を続けても再燃を繰り返し、倦怠感・微熱が取れず、仕事や生活の質が下がってしまう
関節リウマチ(Rheumatoid Arthritis; RA)は、全身の関節に慢性的な炎症が起こり、痛みや腫れ、進行すると関節の破壊や変形をきたす自己免疫疾患です。
手足の小さな関節を中心に症状が現れ、倦怠感や微熱など、関節外症状を伴うこともあります。

現代医学では、抗リウマチ薬(DMARDs)、生物学的製剤、ステロイドなどが中心ですが、薬物療法ではコントロールしきれない慢性的な痛みや疲労感、副作用、そして炎症の波を抑えきれないことに悩む方も少なくありません。
本記事では、関節リウマチに対する鍼灸治療がどのような方に適しているのか、東洋医学的視点と臨床経験を交えてわかりやすく解説します。
慢性的な痛みや体質改善にお悩みの方は、ぜひご覧ください。
現代医学でみる関節リウマチの原因

現代医学では、関節リウマチ(RA)は、免疫システムの異常反応、炎症性サイトカインの持続的な放出、そして軟骨・骨組織の破壊が中心にある病態と考えられています。
これらが複合して、関節に慢性の炎症と破壊が生じ、痛みや変形、全身症状を繰り返すわけです。
① 免疫の異常反応と自己攻撃
関節リウマチは、本来、外敵から体を守るはずの免疫システムが、自分自身の関節組織を誤って攻撃してしまう自己免疫疾患です。
免疫システムの異常により、以下の現象が起きます。
- 滑膜炎の発生: 関節を包む滑膜に炎症細胞が集まり、持続的な炎症(滑膜炎)を引き起こします。
- 炎症性サイトカインの過剰放出: 免疫細胞からTNF-α(腫瘍壊死因子アルファ)やIL-6などの炎症を促進する物質(サイトカイン)が大量に放出され、関節の腫れや痛み、全身の倦怠感、微熱の原因となります。
- 遺伝的・環境的要因: 特定の遺伝的素因を持つ人が、喫煙や歯周病などの環境要因、ストレスなどをきっかけに発症しやすいことが指摘されています。
この免疫の過剰な炎症反応により、朝のこわばり、関節の腫れや痛み、全身倦怠感などの症状が慢性的に現れ、寛解と再燃を繰り返します。

② 軟骨・骨組織の破壊と進行
滑膜の持続的な炎症は、最終的に軟骨や骨を破壊し、関節機能の低下と変形を引き起こします。
炎症滑膜は、増殖してパンヌス(Pannus)と呼ばれる組織となり、周囲の軟骨や骨を侵食します。
- 軟骨の破壊: 関節のクッション材である軟骨が溶かされ、関節の動きが悪くなります。
- 骨の破壊(骨びらん): 関節周辺の骨が削られ、X線検査で確認できる骨びらんが生じる。
- 関節の変形・機能障害: 進行すると関節の支持性が失われ、手足の関節が変形し(例:ボタン穴変形、スワンネック変形)、日常生活動作が困難になります。
- 痛みの慢性化: 破壊が進むことで、痛みがより慢性化し、可動域の制限が起こることある。
炎症が長期化し、組織破壊が進むと、薬物療法だけでは症状をコントロールすることが難しくなることがあります。

③ 全身症状と自律神経の関与
関節リウマチは関節だけの問題ではなく、全身の不調を伴うことが特徴であり、自律神経や中枢神経が関与していると考えられています。
- 全身の倦怠感・疲労感: 炎症性サイトカインの影響や、病気による消耗、痛みが原因で慢性的な疲労感が続く。
- 微熱や食欲不振: 全身の炎症反応(サイトカイン)により、微熱や食欲不振などの関節外症状が出現。
- 痛覚過敏と中枢感作: 持続的な痛み刺激により、脳や脊髄の神経が過敏になり(中枢感作)、本来痛くないはずの刺激まで痛みとして感じやすくなる。
- 自律神経の乱れ: ストレスや炎症により自律神経のバランスが乱れ、交感神経が優位になることで、痛みの感受性が高まったり、血流が悪化したりすることも。
これらの全身症状や神経の過敏化が加わることで、痛みが強まり、活動量が低下し、生活の質(QOL)が大きく損なわれることにつながります。
東洋医学からみた関節リウマチの原因

東洋医学では、関節リウマチの痛みや腫れ、しびれといった症状を「痺証(ひしょう)」と呼びます
これは、関節や筋肉で気・血の流れが滞る(不通則痛)ことで生じると考えられています。
痺証は、主に以下の2つの要素です。
1. 外部からの悪影響(邪気)
風・寒・湿・熱といった外部の要因(邪気)が体表から侵入し、気血の巡りを塞ぎます。症状は、どの邪気が優位かによって、以下の4タイプに分類されます。
| 痺証の分類 | 特徴的な症状 |
| 行痺(風痺) | 痛む箇所が移動する。 |
| 痛痺(寒痺) | 痛みが強く、冷えると悪化する。 |
| 着痺(湿痺) | 重だるい痛み、関節の腫れやむくみ。 |
| 熱痺 | 関節が赤く腫れ、熱を持つ激しい痛み。 |
2. 体内の土台(内臓機能と気血の不足)
関節リウマチが慢性化・難治化するのは、外部の邪気に負けやすい体内の土台の弱りが根本にあるためです。
| 体内の土台の弱り | 関節リウマチへの影響 |
| 脾虚 | 消化・水代謝が低下し、関節の腫れや重だるさ(湿邪)を悪化させる。 |
| 肝鬱気滞 | ストレスで気の流れが乱れ、痛みの強さの変動(行痺)や固定痛(瘀血)を招く。 |
| 腎虚 | 骨の修復力が低下し、関節の変形・破壊の進行(難治化)につながる。 |
| 瘀血 | 炎症の長期化で血流が悪化し、固定性の強い痛みや組織破壊を促進する。 |
東洋医学では、これらの複合的な弱りを整え、気血の巡りを回復させることが根本治療に繋がると考えます。
関節リウマチとリーキーガット症候群

関節リウマチのような自己免疫疾患の発症や悪化には、「腸の健康」が深く関わっていることが近年の研究でわかっています。
その鍵となるのが、リーキーガット症候群(腸管透過性亢進)です。
リーキーガット症候群とは
リーキーガットとは、腸のバリア機能が低下し、腸粘膜の細胞間の結合(タイトジャンクション)が緩む状態です。
その結果、本来体内に吸収されないはずの未消化物や毒素が、腸管から血中に漏れやすくなります。
関節リウマチとリーキーガットの関係
この状態が続くと、以下の悪循環が起こり、関節リウマチの発症や炎症の慢性化につながると考えられています。
免疫の過剰反応: 漏れ出た毒素や異物が免疫細胞を刺激し続け、全身の免疫システムが過剰に活性化します。
自己免疫の引き金: 最終的に、この過剰な免疫反応が、自分の関節組織を誤って攻撃する自己免疫疾患(RA)の引き金となったり、既存のRAの炎症を悪化させたりします。
慢性炎症の維持: 腸のバリア機能低下が長期化すると、全身で炎症性サイトカインが増加し、関節の痛みや腫れの慢性化の一因となります。
RAの治療では、関節の炎症抑制だけでなく、この腸のバリア機能を修復し、全身の免疫バランスを整える視点が非常に重要になります。
関節リウマチへの鍼灸アプローチ

関節リウマチに対する鍼灸治療は、東洋医学の原則に基づき、痛みや炎症を鎮める対症療法と、免疫や自律神経を整える根本治療を同時に行います。
① 自律神経を整え、痛みの過敏化を鎮める
RAの痛みや炎症は、ストレスや自律神経の乱れにより増幅されます。鍼灸は、この自律神経の乱れにアプローチし、痛みの感受性を下げます。
- 痛覚過敏(中枢感作)の緩和: 脳・脊髄の過敏状態を落ち着かせ、痛みの強さを軽減します。
- 交感神経の鎮静: 首・肩・背中・腹部の緊張を緩め、血流を改善し、関節への負担を減らします。
- 全身の倦怠感の改善: 炎症とストレスによる消耗を回復させ、疲労感を和らげます。
使用経穴例: 風池、天柱、中脘、合谷、内関、太衝など
② 気・血・水の巡りを整え、炎症を鎮静・修復を促進

東洋医学でいう「痺証」(気血の滞り)の改善と、炎症物質の排泄を促進することで、関節の環境を整えます。
- 局所の炎症鎮静: 滞った血流(瘀血)を改善し、関節周辺の腫れや熱感、固定した強い痛みを和らげます。
- 関節の柔軟性回復: 気血水の流れを整えることで、朝のこわばりや可動域の制限の緩和を目指します。
- 組織修復のサポート: 関節への栄養(気・血)の供給を促進し、長期的な破壊の進行を抑えます。
使用経穴例: 足三里、血海、三陰交、陽陵泉、曲池、膈兪など
③ 体質別(五臓別)の根本治療で免疫バランスを調整
RAの慢性化と再燃を防ぐため、患者様の体質(五臓の弱り)に合わせた根本治療を行います。
- 脾を補い、湿(余分な水分)を取り除き、関節の腫れ・重だるさ(着痺)を改善。
- 肝を補い、気の滞りを解消し、痛みの強さの変動(行痺)と精神的な緊張を緩和。
- 腎を補い、骨組織を補い、関節の破壊や慢性疲労を防ぎ、再燃を予防します。
関節とつながる経絡(足の陽明胃経、手の陽明大腸経など)を調整し、全身の免疫・自律神経・内分泌系のバランスを整えることを目指します。
成功事例多数! 関節リウマチに特化した鍼灸施術の強み

【当院の強み①】豊富な臨床経験と関節リウマチに特化した施術
当院は、薬物療法だけでは症状が安定しない、関節の痛みや腫れ、朝のこわばりなどで日常生活に支障をきたす関節リウマチ(RA)に対応しています。
これまでに多くの症例と口コミ評価を重ね、患者様一人ひとりの体質や症状の進行度に合わせたオーダーメイド施術を提供します。
東洋医学の「痺証」の改善と、免疫・自律神経のバランスを整えることで、再燃しにくい体質づくりを目指します。
【当院の強み②】医療との連携と専門的な知見

当院代表は医師との連携や国内外学会での症例報告実績があり、最新の医療知見を鍼灸施術に取り入れています。
科学的なアプローチ: 西洋医学的な検査結果(CRP値、抗CCP抗体など)や、薬の使用状況を踏まえ、東洋医学の「証(体質)」に合わせた最適な施術プランを立案。
安全性と効率性: 鍼灸と医療を組み合わせることで、治療効果を効率的に高め、ステロイドや生物学的製剤を使用中の方も安全に症状改善をサポートします。
【当院の強み③】徹底的な「四診」による根本原因の特定

問診・脈診・舌診・触診などの四診を駆使し、関節リウマチの根本原因を丁寧に特定。
単なる関節痛の緩和にとどまらず、五臓(肝・脾・腎など)のバランス、血流(瘀血)、免疫、自律神経まで含めた総合評価を行います。
症状の変化、季節、ストレス、冷えなどの影響に応じて施術内容を柔軟に調整し、組織破壊の進行を防ぐ最適な施術プランを構築します。
【当院の強み④】生活習慣指導と「腸活」による免疫サポート

関節リウマチの発症・悪化に深く関わるリーキーガット症候群(腸管透過性亢進)にも対応します。
鍼灸で腸の血流や自律神経を整え、免疫バランスの中枢である腸管環境の修復をサポート。
併せて、食事や生活習慣の改善を指導し、全身の慢性炎症を抑制。再燃リスクを減らし、活動量を維持できるようサポートします。
お客様の声(関節リウマチ)
②関節リウマチ
人間ドックでリウマチ因子の値が高いと言われていましたが、リウマチが発症したと言われた時は目の前がまっ暗になりました。腕のシビレと指の関節の痛みも不安でした。
知り合いの薦めでクボ鍼灸院の治療を受け始めて、シビレや痛みが減ってきたのですが、同時に長年の胃腸の悪さも改善してくださってることに感謝しかありません。
リウマチと繋がっていたとは知りませんでした。胃腸専門病院でも改善しなくて、その後中国で学んだという漢方薬の先生や地元の鍼灸院での治療でも下痢症は治らず諦めていました。
久保先生のおかけで下痢症が改善してきていると共に爪の色の血色がとても良くなり黒いシミだらけだった下腹部の皮膚も綺麗になりました。時々吐いて辛かった症状もおさまってきました。
まだ関節の痛みや痺れが良くなり、趣味のフルートができるようになりました。諦めていた年一回の発表会も参加できて本当に嬉しかったです。
これからも、ずっとお世話になりたいと思っています。
最後に:関節リウマチの方へメッセージ
関節リウマチの方から、よくこう言われます。
「もう治らないと諦めていました」
「一生、付き合っていく覚悟をしていました」
その気持ちは痛いほどわかります。良くなったと思ったらまた悪化し、気持ちが折れそうになる。周りに理解されにくく、ひとりで抱え込んでしまう。
でも、どうか諦めないでほしいです。
東洋医学は「負担をかけずに体の土台を整える」ことができます。
今すぐ一歩を踏み出し、調子のいい日を取り戻していきましょう。
| 施術メニュー | 料金 |
東洋鍼灸 (45分) | 5,500円(税込) |
※初回5500円+初検料2000円=7500円(税込)
初めての方でも安心して施術を体験できるよう、電話にて無料相談を受付中です。
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