【震え・無動・筋固縮】パーキンソン病の症状を和らげる習慣3選:ツボ・食事・セルフケア

- 朝起きると体が重く、手が思うように動かない…
- 歩き出そうとしても足がすくんでしまい、外出が億劫になる…
- 腰痛や首肩こりが酷く、動くのが大変…
パーキンソン病の「震え(振戦)」「無動」「体の硬さ(筋固縮)」といった症状は、日常生活のささいな動作一つひとつに、大きな負担と不安をもたらします。
「薬は飲んでいるけれど、この症状の波はどうにもならないのか」「いつまで自分らしくいられるだろうか」

もしあなたが、このような慢性的な症状や進行への不安を抱えながら、日々を過ごしていらっしゃるなら、ぜひこの記事を読んでみてください。
実は、体の特定の場所を「温める」ことや、毎日の「食習慣」を少し変えるだけで、症状の程度が和らぎ、動作が楽になる可能性があります。
本記事では、パーキンソン病の患者様を診る中で見えてきた、自宅で今日から実践できる、症状を和らげるための簡単な習慣を3つご紹介します。
あなたの心身の負担を減らし、少しでも快適な毎日を取り戻すための一歩になれば幸いです。
パーキンソン病とは?原因と症状の基礎知識

パーキンソン病は、中枢神経系の変性疾患の一つで、厚生労働省が定める指定難病です。
根本原因は、脳の中脳にある黒質(こくしつ)という部分から分泌される「ドーパミン」という神経伝達物質が減少することで発症します。
主な運動症状 ドーパミンが減少することにより、運動機能に様々な支障が出ます。
- 振戦(しんせん):震え
- 筋固縮(きんこしゅく):筋肉が硬くなる
- 無動(むどう):動作が鈍くなる、歩幅が小さくなる(すり足)
発症は高齢者に多いですが、40代以降で発症する若年性パーキンソン病も増加傾向にあり、日本国内には約30万人の患者さんがいると言われています。
症状を和らげ、進行を遅らせるためには、日々の対策を取ることが非常に重要です。
パーキンソン病の症状を和らげる習慣3選
ご自宅でできる、症状を和らげるための具体的なセルフケア習慣を3つご紹介します。
習慣① ふくらはぎを温める
パーキンソン病の方の体を診ると、ほぼ100%ふくらはぎが硬くなっているという特徴が見られます。ふくらはぎの硬直は、足がすり足状態になりやすく、踏み出しづらくなる原因となります。
目的: ふくらはぎの緊張を和らげ、血流を良くすること。

セルフケア方法
- ご家族がいる場合は、優しく揉んであげる。
- ご自身でできる場合は、皮膚をさすって血流を良くする。
- ふくらはぎの真ん中(承山穴)をお灸もしくは小豆カイロで温める
血流が改善し、筋肉が柔らかくなれば、足が動かしやすくなります。
習慣② 首(髪の生え際あたり)を温める
ふくらはぎと同様に、首や肩も非常に硬くなっている方が多いです。
ドーパミンの減少には、脳の血流が関係しているのではないかと言われており、首肩こりは脳への血流障害を引き起こします。
目的: 首、特に髪の生え際(天柱・風池)を温め、脳への血流を良くすること。

セルフケア方法(ホットタオル)
- フェイスタオルを濡らし、絞ります。
- 電子レンジ(500Wで約1分)で温めます。
- 熱いので少し冷ましてから、髪の生え際に当て、仰向けで10分程度寝ていただきます。
このケアは、首肩のガチガチな状態を緩和し、脳への循環を改善するために非常に有効です。
習慣③ 体を温める食材を積極的に取る
パーキンソン病をはじめとする難病や自己免疫疾患の方は、体が冷えている(冷え症・低体温)方が多い傾向にあります。
体を温めることは、血流を良くし、ホルモンの分泌や体温調節を正常値に戻すことにつながります。
控えるべきもの: 冷たい飲み物、生野菜、アイスなど、冷たいもの全般。

積極的に取るべきもの
- 生姜紅茶やよもぎ茶など、体を温める飲み物。
- しっかりとした品質の味噌や醤油。
- 和食中心の生活(ご飯や魚など)を心がけ、体を温かい状態に保ちます。
ご家族の方が調理される場合も、体を冷やす食材ではなく、温める調理法や食材を選ぶことを心がけてください。
ホットタオルの作り方
①フェイスタオル小を水で濡らす 
②絞る

③500w1分で温める

④広げてたたんで完成

首を温めて血液循環を良くしましょう。
セルフ灸のやり方(初心者ガイド)
①用意するもの
市販のお灸(台座灸・せんねん灸など初心者向けがおすすめ)
ライター or チャッカマン
灰皿または耐熱皿
タオル、水(熱を感じすぎた時のため)、保冷剤でもOK
②お灸をする前のポイント
施術前に 軽く膝周りをさする(血流が上がり、熱が通りやすくなる)
食後30分は避ける
できれば 毎日同じ時間帯 に行うと効果が出やすい
同じツボに1壮/日までが基本
③お灸の手順
手順①:ツボを軽く押して確認
→「ズーン」と響くポイントが適切。
手順②:お灸をセット
→台座灸の底部シールを剥がし、ツボに貼る。
手順③:火をつける
→先端に火をつけ、煙が安定したら深呼吸。
手順④:温かさがじんわり広がるのを感じる
→熱すぎたらやめてOK。無理はしない。
手順⑤:燃え尽きたら外し、軽く押さえる
→手のひらで3秒ほど温めて蓋をするイメージ。
最後に:パーキンソン病でお悩みの方へ

パーキンソン病との向き合いは、決して簡単な道のりではありません。
震えや体の固さ、動きづらさといった症状は、時にあなたの心まで閉ざしてしまうかもしれません。
「なぜ自分だけが」「この先どうなってしまうのだろう」そうした不安を感じるのは、自然なことです。
しかし、大切なのは、病気を前にして立ち止まらないこと。
今回ご紹介した「ふくらはぎを温める」「首の血流を良くする」「体を温める食習慣」といった小さな努力は、脳への血流や全身の気の巡りを整え、症状の波を穏やかにするための確かな一歩となります。
お灸のケアはご家族の方がいたら是非やってもらって下さい。火を使うので、ご自身でやる場合はくれぐれも注意して下さいね。
小さな変化を積み重ねることで、心身の活力を維持し、あなたらしく充実した毎日を送れるよう、一緒に歩んでいきましょう。




