30代前半・女性|慢性の肩こりと神経痛が安定した症例

主訴

右肩の慢性的なこり
ときどき走る神経痛のような鋭い痛み

併発症状

首肩の張り(疲労で悪化)
目の疲れ
生理前の不調(便秘、張り、イライラ)
むくみ

背景・東洋医学的体質

  • 疲労が胃腸ではなく肩・背中のこりとして現れやすい
  • 生理周期で体調変動
  • PC作業で首肩に負担
  • 瘀血・痰湿体質(巡りが滞りやすい)

来院期間中、部署移動によりデスクワーク中心となり固定姿勢の負担が増え、一時的に肩こりや疲労が強くなる時期もあった。

施術頻度

2週に1回

経過

■ 1回目

肩こりと鋭い痛み。直前にぎっくり腰もあり、全身の回復力が低下。

筋緊張は強いが、痛みの質は神経圧迫より循環不良(不通則痛)が主体。瘀血+痰湿の滞りが目立つ。

■ 2〜3回目

整形外科で神経痛の可能性として薬処方、服用で痛みはやや軽減。

生理前のPMSが出るが、肩の鋭い痛みは大きく減少。
普段便秘気味だが、生理中に便通が改善し本人も驚く。

■ 4回目

肩の凝りはあるが、神経痛は消失。
風邪をひく。咳はなく喉と鼻の症状。

■ 5〜6回目

仕事と私生活の変化で、PMSが強くなる。
忙しさに比例して肩こり増悪。薬を使う場面も。

■ 7〜8回目

外食・疲労で肌荒れと眼精疲労。
肩の痛みはコントロールできている。
夜にまとめて水分摂取する習慣
→ むくみ・痰湿が肩こりに影響と推測。

■ 9回目

季節の変わり目、生理前で腹の張り・腰痛・耳鳴りなど「詰まり」。

肩こりは神経痛なく、薬なしで経過。

■ 10回目

胃腸の調子がよく便通良好。旅行を楽しめた。
疲労で重さは出ても、回復が早い。

■ 11〜12回目

仕事ストレス、鼻〜喉の違和感。
背中・足の疲労増加。
咳が長引き痰が黄色に → 循環低下
肩の神経痛はなし。

■ 13回目(現在)

出張続きで多忙。
肩の張りはあるが、痛みは穏やか。
痛みに発展しない安定状態。

改善ポイント

① 神経痛がほぼ消失

継続施術で、

  • 気血の巡り改善
  • 痛みの質が鋭い痛み → 張り中心へ
  • 薬を使わずコントロールできる段階に

疲労で悪化していた痛みは、現在ほぼ出現なし。

② 体調の波と肩こりがリンクするタイプ

疲労・生理周期・季節変化・ストレス・風邪がそのまま肩へ出る。

ポイントは
肩だけを診ない
➝ 全身調整が有効

結果として安定。

③ 瘀血・痰湿+肺の弱りを整えたことが鍵

肩そのものより、

  • 滞りやすい血(瘀血)
  • 代謝しきれない水(痰湿)
  • 気を司る肺

ここを整えることで、痛みの質が大きく改善。

まとめ

担当鍼灸師:若菜烈

神経痛のある肩こりでも原因は神経圧迫とは限りません。本症例は気血の巡り不足(不通則痛)が主体でした。

生理・疲労・季節変動で揺れるタイプは、局所ではなく全身の巡りを整える(循環力改善)が効果的。鋭い痛みが張り中心へ移行した点も改善の要。

忙しい時期でも以前のような悪化は起きず、ご自身の循環力で安定維持できている。

※施術効果には個人差があります。