採卵前の鍼灸は効果ある?質の良い卵子を育てるための「逆算アプローチ」とは

  • 次の採卵で、質の良い卵子を採りたい
  • 空胞や変性卵が続いていて、何かできることはないか探している
  • 採卵前に鍼灸をすると、結果が変わるって本当?

不妊治療の中でも、採卵は心身ともに負担が大きいステップです。だからこそ、「やれることはすべてやりたい」と思うのは当然のこと。

実は、採卵に向けた鍼灸は、単なるリラクゼーションではありません。卵巣への血流を物理的に改善し、卵子が育つ「環境」を整えるための積極的な鍼灸です。

この記事では、採卵前の鍼灸に期待できる具体的な効果と、最適なタイミングについて詳しく解説します。

採卵前の鍼灸に期待できる3つの具体的な効果

病院の治療が「卵を育てる指令(ホルモン剤)」を出すものだとしたら、鍼灸はその指令を届ける「道(血流)」を作り、受け取る「細胞(卵巣)」を準備万端の状態にさせる役割を担います。

1. 卵巣への血流改善と「栄養供給」の最大化

卵子は、血液から運ばれてくる酸素と栄養、そしてホルモンを受け取って成長します。

しかし、ストレスや冷えで骨盤内の血流が滞っている(瘀血:おけつの状態)と、いくら高価な排卵誘発剤を使っても、その成分が卵巣まで十分に届きません。

鍼灸は、自律神経を介して血管を拡張させ、新鮮な血液を卵巣へ送り込みます。これが「卵子の質」を下支えすることに繋がります。

2. 「卵子の質」を左右するミトコンドリアの活性

卵子の分割・成長には、細胞内のエネルギー工場である「ミトコンドリア」の働きが欠かせません。

近年の研究では、鍼灸刺激が細胞の代謝を促し、酸化ストレスを軽減させることが示唆されています。

採卵前に体の酸化(サビ)を取り除き、ミトコンドリアが働きやすい環境を作ることは、受精卵のグレード向上にも寄与します。

3. 排卵誘発剤による体への負担(多愁訴)をケア

採卵周期は、自己注射や薬の影響で「お腹の張り」「頭痛」「イライラ」「むくみ」などの多愁訴(複数の不調)が出やすい時期です。

鍼灸はこれらの副反応を和らげ、心身をリラックスした状態(副交感神経優位)に導きます。

ストレスホルモンであるコルチゾールを抑えることは、スムーズな排卵誘発を助ける重要なポイントです。

採卵前の鍼灸はいつから始めるのがベストか?

卵子の成長サイクルを考えると、理想的なタイミングがあります。

理想は「3ヶ月前」からの体質改善

原始卵胞が成長し、採卵できる大きさに育つまでには約90日〜120日かかります。

つまり、今度の採卵で採れる卵子は、3ヶ月前からのあなたの体調を反映します。

この期間に体調を整えることで、卵子の質を根本から底上げする上で重要です。

直前(1ヶ月以内)でも諦める必要はありません

「もう採卵まで時間がない」という場合でも、鍼灸には大きな価値があります。

採卵周期の血流サポート:誘発剤の効果を最大化させるために、骨盤内の循環をギリギリまで高めます。

採卵前日のリラックス:緊張を解き、良質な睡眠を確保することで、採卵当日のコンディションをベストに持っていきます。

東洋医学から見た「良い卵」を阻む原因

当院では、採卵を控えた方の体を以下の3つの視点で診ていきます。

  1. 瘀血(おけつ):血が滞り、卵巣が栄養失調になっている状態。鍼で「古い血」を流し、巡りを再開させます。
  2. 腎虚(じんきょ):ホルモン値が低い、AMHが低いなど、生殖エネルギーが低下している状態。お灸を使い、体の根源的な力を補います。
  3. 肝気鬱結(かんきうっけつ):ストレスで気が張り、血管が収縮している状態。自律神経を整え、緊張を解放します。

妊活鍼灸は本当に効果ある?|病院の不妊治療との違いを解説

当院が大切にしている排卵前後の考え方:低温期と高温期の使い分け

妊活中に大切なのは、時期に合わせてツボ選びをするということです。

① 低温期(生理中〜排卵前):血を「作り、巡らせる」時期

この時期のテーマは、新しい卵子を育てるための「良質な血」をたっぷり作り、子宮・卵巣へスムーズに届けることです。

目的:卵胞の発育サポート・子宮内膜の材料作り・血流改善

ポイント:まずは「脾胃(胃腸)」をしっかり整えること。どれだけ良いツボを押しても、原材料となる栄養が吸収されていなければ良質な卵子は育ちません。

おすすめのツボ:足三里(あしさんり)、血海(けっかい)

② 高温期(排卵後〜生理予定日):エネルギーを「蓄え、維持する」時期

受精卵が着床し、子宮内膜で育とうとするこの時期は、何よりも「安定」と「保温」が最優先です。

目的: 着床の維持・子宮の保温・自律神経の安定

ポイント: 強い刺激で動かすことは控え、お灸や腹巻など「温めて補う」ケアに徹します。

おすすめのツボ:太渓(たいけい)、関元(かんげん)

卵巣年齢30代後半と言われた20代女性が、体質改善で妊娠に至った症例

最後に:後悔のない採卵周期を過ごすために

採卵は、一生のうちに何度も繰り返せるものではありません。

一回一回の採卵に、時間も、お金も、そして何よりあなたの「大切な想い」が詰まっていることを、私たちは深く理解しています。

「もっと早く始めていればよかった」
「あの時、あのアドバイスを聞いておけばよかった」

そんな後悔を、あなたにだけはしてほしくありません。

施術、セルフお灸、食事。この三位一体のアプローチで卵子の質を整えることは、これから出会う赤ちゃんにとって最高の環境を準備することに繋がります。

採卵という大きなハードルを、確信を持って乗り越えられるように。 クボ鍼灸院は、あなたの「授かる力」を全力で引き出します。