【鍼灸師が解説】生理痛を和らげるツボ3選|セルフ灸ガイド

- お腹を締め付けられるような痛みや、腰が割れそうな重だるさがある。
- 仕事中も座っていられず、鎮痛剤を飲んでも「また痛くなったらどうしよう」と不安になる。
- 生理前になるとイライラや落ち込みが激しく、自分をコントロールできなくなってしまう。
そんな、毎月やってくる「生理のつらさ」を「体質だから仕方ない」と諦めていませんか?
痛み止めでその場を凌いでも、また翌月に痛みを繰り返してしまう場合、その原因は子宮の状態だけではなく、全身の血の巡りの悪さ(瘀血)、ストレスによる自律神経の乱れ(気滞)、あるいは内臓からくる根深い「冷え」にあるかもしれません。
今回は、鍼灸師が臨床で用いている生理痛を和らげる3つのツボと、自宅で簡単にできるセルフケアをまとめました。
ぜひ今日から試してみてください。
東洋医学からみる「生理痛」の原因

東洋医学では、生理痛を「不通則痛(通じざれば則ち痛む)」、あるいは「不栄則痛(栄えざれば則ち痛む)」という言葉で説明します。
本来スムーズに流れるべきエネルギー(栄養)や血液がどこかで滞ったり、あるいはそれらが不足して子宮に栄養が行き渡らなくなったりすることで、痛みが発生すると考えるのです。
具体的には、大きく分けて以下の3つのタイプが原因となっていることが多いです。
1. 巡りが滞る「瘀血(おけつ)」タイプ
血の流れがドロドロと滞り、子宮に古い血が溜まっている状態です。
特徴: 刺すような鋭い痛み、経血にレバーのような塊が混じる。
原因: 運動不足や、骨盤内の血行不良。
2. ストレスが影響する「気滞(きたい)」タイプ
エネルギーである「気」の巡りが悪くなり、血の流れを邪魔している状態です。
特徴: お腹が張るような痛み、PMS・生理前のイライラや胸の張り。
原因: 精神的なストレスや、自律神経の乱れ。
3. エネルギー不足の「虚寒(きょかん)」タイプ
冷えによって血管が収縮したり、そもそも血を巡らせるパワーが不足している状態です。
特徴: シクシクとした重だるい痛み、お腹を温めると楽になる。
原因: 冷たいものの摂りすぎ、体質的な虚弱、下半身の冷え。
鍼灸師の視点
現代女性の多くは、これらが複雑に絡み合っています。
特に「冷え(虚寒)」があるところに「ストレス(気滞)」が加わり、最終的に「血行不良(瘀血)」を招くという負のスパイラルに陥りやすいのが特徴です。
【タイプ別】生理痛を和らげる3つのツボ

東洋医学では、自分の体質(タイプ)に合ったツボを選ぶことが、早期改善への近道です。
それぞれのツボの場所と、その効果を詳しく解説します。
1. 「瘀血」タイプには…血を巡らせる『血海(けっかい)』
「血の海」という名が示す通り、血液が溜まりやすい場所にあり、全身の血の巡りを整える要(かなめ)となるツボです。
場所:膝のお皿の上の内側の角から、指幅3本分上がったところ。太ももの内側の筋肉が少し盛り上がっている部分です。
効果:子宮の血行不良を改善し、経血の塊や刺すような痛みを和らげます。
2. 「気滞」タイプには…ストレスを逃がす『中封(ちゅうほう)』
肝の経絡(エネルギーの通り道)に属し、滞った「気」をスムーズに流すスイッチのような役割を果たします。
場所:足首の前面、内くるぶしのすぐ前にある、太い腱の隣のくぼみ。
効果:イライラや情緒不安定、お腹の張り、生理前の緊張感を解きほぐします。
3. 「虚寒」タイプには…万能の温めツボ『三陰交(さんいんこう)』
婦人科系疾患の治療には欠かせない、女性にとって最も大切なツボの一つ。3つの経絡が交わる場所で、内臓から温める力が非常に強いです。
場所:足の内くるぶしの最も高いところから、指幅4本分上がったところ。骨(脛骨)のキワにあります。
効果:下半身の冷えを取り除き、シクシクと続く鈍痛を内側から和らげます。
▼ Yahooニュース!で紹介されました
セルフ灸のやり方(生理痛・PMS)
①用意するもの
市販のお灸(台座灸・せんねん灸など初心者向けがおすすめ)
ライター or チャッカマン
灰皿または耐熱皿
タオル、水(熱を感じすぎた時のため)、保冷剤でもOK
②お灸をする前のポイント
施術前に 軽く膝周りをさする(血流が上がり、熱が通りやすくなる)
食後30分は避ける
できれば 毎日同じ時間帯 に行うと効果が出やすい
同じツボに1壮/日までが基本
③お灸の手順
手順①:ツボを軽く押して確認
→「ズーン」と響くポイントが適切。
手順②:お灸をセット
→台座灸の底部シールを剥がし、ツボに貼る。
手順③:火をつける
→先端に火をつけ、煙が安定したら深呼吸。
手順④:温かさがじんわり広がるのを感じる
→熱すぎたらやめてOK。無理はしない。
手順⑤:燃え尽きたら外し、軽く押さえる
→手のひらで3秒ほど温めて蓋をするイメージ。
最後に:繰り返す生理痛は放置せず「早めのケア」を

「生理は痛くて当たり前」「みんな我慢しているから」。
そんな風に、毎月の痛みを一人で耐えていませんか? 病院の検査で「異常なし」と言われても痛みが続く場合、そこには体からの切実なSOSが隠れています。

実は、長引く生理痛の背景には、ホルモンバランスの乱れだけでなく、子宮内膜症や子宮筋腫といった疾患が隠れていたり、あるいは自律神経の乱れによって痛みをより強く感じやすい「痛みの過敏状態」に陥っていることも少なくありません。
放置すると、体は痛みに対してさらに敏感になり、生理中だけでなく排卵期や生理前など、一ヶ月のほとんどを不調と共に過ごす「負のループ」に陥ってしまうこともあります。
生理痛は我慢してやり過ごすものではなく、「適切なケアで和らげ、コントロールしていくべき症状」です。
毎月訪れる痛みがつらいときは、どうか「体質だから」と諦めず、早めに専門家へ相談してください。





