【鍼灸師監修】膝の痛みに効くツボ3選とセルフお灸ガイド

階段の上り下りや、イスから立ち上がるときに 膝がズキッと痛む。歩くと重だるさや引っかかり感 が出てしまう。
そんな膝の不調でお悩みではありませんか?
実は、膝の痛みはツボ(経穴)を使ったセルフケアで改善できるケースが多くあります。
今回は、鍼灸師が臨床でよく使う「膝の痛みに効く3つの特効穴(ツボ)」 と「自宅でできるお灸ケア」 をまとめました。
痛む場所(内側・お皿周り・裏側)によって使い分けられるので、ぜひ今日から試してみてください。
膝の痛みに効く3つの特効穴(ツボ)
①委中(いちゅう)
膝裏・膝の奥が痛い人はまずコレ。
<場所>
膝裏のちょうど真ん中のくぼみ。

<効果>
膝裏のこわばりをゆるめる
ふくらはぎ〜太ももの筋肉の緊張を取る
<セルフケア>
委中は膝全体の痛みにも有効。特に膝の奥や裏側が痛い時にお灸がおすすめです。
②血海(けっかい)
東洋医学では膝痛の多くに「血の巡り」が関わります。
血海は膝周りの血の巡りをよくするツボです。
<場所>
膝のお皿の上から指3本分上、内側の盛り上がったところ。
<効果>
内側の筋肉(内側広筋)の緊張を緩める
血流改善で腫れや痛みを軽減
<セルフケア>
お灸がおすすめですが、カイロで温めてもOKです。
円を描くようにツボ押しマッサージも取り入れてみてください。
③陰陵泉(いんりょうせん)
東洋医学では膝痛の多くに「湿(むくみ)」が関わるため、陰陵泉は非常に使えるツボです。
<場所>
すねの内側の骨を下から辿っていったとき、指が止まる内側のくぼみ。
<効果>
体の湿気を抜き、重だるさを改善
内側・お皿周りの痛みに強い
冷えやむくみが原因の膝痛に最適
<セルフケア>
お灸がおすすめですが、小豆カイロで温めてもOKです。
セルフお灸のやり方(初心者ガイド)
①用意するもの
市販のお灸(台座灸・せんねん灸など初心者向けがおすすめ)
ライター or チャッカマン
灰皿または耐熱皿
タオル、水(熱を感じすぎた時のため)、保冷剤でもOK
②お灸をする前のポイント
施術前に 軽く膝周りをさする(血流が上がり、熱が通りやすくなる)
食後30分は避ける
できれば 毎日同じ時間帯 に行うと効果が出やすい
同じツボに1壮/日までが基本
③お灸の手順
手順①:ツボを軽く押して確認
→「ズーン」と響くポイントが適切。
手順②:お灸をセット
→台座灸の底部シールを剥がし、ツボに貼る。
手順③:火をつける
→先端に火をつけ、煙が安定したら深呼吸。
手順④:温かさがじんわり広がるのを感じる
→熱すぎたらやめてOK。無理はしない。
手順⑤:燃え尽きたら外し、軽く押さえる
→手のひらで3秒ほど温めて蓋をするイメージ。
最後に:膝痛は慢性化させないこと

膝の痛みは、初期のうちに適切なケアをすれば改善しやすいものです。
しかし、そのうち治るだろうと放置すると、
- 痛みをかばって歩き方が崩れる
- 太もも・お尻の筋力が低下
- 関節の変形リスクが上がる
- 階段・正座・しゃがみ動作が苦しくなる
このように悪循環が止まらなくなり、回復までに数ヶ月~数年かかることも珍しくありません。
膝は“毎日必ず使う関節”だからこそ、早めの対応が未来の生活の質を守ります。
気になる痛みが続くときは、どうか無理せず専門家に相談してください。





