ギックリ腰(急性腰痛)
ギックリ腰は別名「急性腰痛」と呼ばれ、いきなり強烈な痛みに襲われるのが特徴です。
一般的にギックリ腰の原因は、
- 重たいものを持つ
- 無理な姿勢をとる
- 慢性的な疲労が溜まっている
- 激しいスポーツをする
上記のようなことが言われております。
たしかに、腰に負担のかかる動作をした際にギックリ腰になるケースは多いです。
しかし、当院に来院される患者さんの中には、腰に負担のかかる動作をしていないのにギックリ腰になられる方もいらっしゃいます。
つまり、ギックリ腰の原因は人それぞれ異なり、その対処方法も変わってくるということ。
そこで今回は「ギックリ腰の原因と改善法」を臨床経験歴10年の立場からお伝えできればと思います。
頻繁にギックリ腰になる方、数年に一度ギックリ腰になるという方はぜひ参考にされてみてください。
西洋医学におけるギックリ腰の原因
病院ではギックリ腰を「腰椎捻挫」と診断し、腰椎の靭帯、腰の筋肉に負担がかかることでギックリ腰になると考えます。
とはいえ、病院に行っても「痛み止めを飲んで2・3日安静にしてください!」と言われ帰されるケースがほとんどです。
また、腰痛専門の治療院でも、
- 痛めた箇所に電気を当てる
- 痛めた箇所に鍼治療をする
- 腰周りの筋肉の緊張を取り除く
このような対処をする治療院が多いです。
たしかに、筋肉を痛めているのであれば上記の治療をすることで改善するケースもございます。
しかし、何気ない日常生活動作でギックリ腰になられる方は、上記のような治療をしても改善されない場合が多いです。
それがなぜかというと、ギックリ腰の原因が筋肉、関節、靭帯以外にあるから。
では、どこにあるのか?その原因を東洋医学の観点から解説していきます。
東洋医学におけるギックリ腰の原因
東洋医学では痛みの起こる原因を下記の2つに分類します。
- 不通則痛(ふつうそくつう)
- 不栄則痛(ふえいそくつう)
私たちの体を巡っている「気・血・水」が停滞している状態を「不通則痛」
体内の組織に十分な栄養が行き届かない状態を「不栄則痛」
東洋医学では身体を構成する3つの要素は「気血水」と考え、これらが体内をスムーズに循環することで健康が維持されると考えます。
つまり、直接的に筋肉や関節を痛めているのではなく、筋肉や関節に栄養を送っている「気血水」の巡りが悪くなることでギックリ腰になると考えます。
また、気血水の乱れを悪くする要因として、
- 季節の変わり目
- 激しい寒暖差
- ストレス過多
- 過労
上記なども挙げられます。
季節の変わり目に風邪をひく方が多いように、ギックリ腰などの急性症状も自然界の変化(寒暖差、気圧など)が原因となることもあります。
このように単に筋肉を痛めているわけではなく、血液循環が悪い、水分代謝が悪い、外気の影響を受ける、身体の抵抗力が弱っていることでもギックリ腰は起きてしまうのです。
当院におけるギックリ腰の改善法
ギックリ腰の改善で1番大切なことは「いつ」「どこで」「何をして痛くなったか」という原因を明らかにすることです。
その答えが、
- 特に何もしていないけど急に痛みが出た
- 少し前かがみになったら腰に電気が走った
- 後ろを振りかえったらギクッときた
上記のように、原因が明らかでないもしくは負担のかかる動作はしていないという方は、筋肉や関節、靭帯以外に問題があるケースがほとんどです。
当院で行う鍼灸治療(経絡治療)は痛めた箇所の治療を行い、内臓と関連するツボを用いることで気血水の循環を良くすることができます。
そのため、原因が明らかでないもしくは負担のかかる動作はしていないギックリ腰でも改善することが可能です。
ギックリ腰は早めの対処と適切な処置が大切となりますので、早期治療を受けることをお勧めいたします。