自律神経の乱れからくる首こりを解消する方法!ツボとストレッチの紹介

こんにちは、クボ鍼灸院です。

今回は「自律神経の乱れからくる首こりを解消する方法」というテーマでお伝えしていきます。

首・肩に常に重だるさを感じていたり、なかなか首こりが改善しないという方は、ぜひ最後までご覧ください。

というのも「自律神経の乱れ」と「首こり」には深い関係があるんです。

首こりがひどくて自律神経失調症のような症状につながる方もいれば、自律神経が乱れることで首こりが治りにくくなる方も多くいらっしゃいます。

そこで今回は、

  • 自律神経からくる首こりの原因
  • それを改善するためのストレッチ方法

この2つを中心にお話ししていきます。

今日ご紹介するセルフケアを行うことで、自律神経を整えながら首こりの改善にもつながっていきますので、ぜひ試してみてください。

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自律神経からくる首こりの原因は「前」にある!

まず、自律神経からくる首こりの原因についてお話していきます。

おそらくこの記事を見ている方は、首こりがひどいので整体に行ったり、マッサージをしたり、いろいろ試してこられたと思うんですね。

その場では良くなるけど、次の日にはまた痛みやこりが戻ってしまう…そういう経験をされている方も多いと思います。

なぜそんなことが起こるのかというと、「首に問題がない首こり」だからなんです。

もし本当に首そのものに原因があるとしたら、首を揉んだり、整えたり、ストレッチしたりすれば改善していくはずですよね?

でも実際にはなかなか治らない。ということは、原因が他の場所にあるということなんです。

その原因というのが「首の前側」にあります。

首の前と後ろのバランス

東洋医学では「陰陽の関係」と言ったりしますが、人間の体というのは、必ず相反する働きをもつ部分がバランスを取り合っています。

例えば、筋肉なら「曲げる筋肉」があれば「伸ばす筋肉」があります。血管なら「収縮」と「拡張」がある。気管支でも同じですね。

このように、常に互いに違う働きをするものがバランスを取っていることで、健康が保たれています。

自律神経も同じで、「交感神経」と「副交感神経」が常にバランスを取り合っています。

首のこりも同じで、後ろがつらいときは「前を見る」ことがとても大事なんですね。

現代人の姿勢と前側のこり

では、なぜ前が硬くなると後ろに負担がかかるのか。

現代人はデスクワークが多いですよね。横から見ると、肩が内巻きになって、顎が前に出て、首が詰まったような姿勢で仕事をしている人がほとんどです。

この姿勢だと、首の前が常に詰まっていて、ここにある「胸鎖乳突筋」や「斜角筋」という筋肉がガチガチに固まってしまいます。

前が硬いと首は前に倒れようとします。

でも人間の体は下を向いたままではダメなので、無理に上を向こうとする。そうすると、後ろの筋肉を使って前を向くことになり、後ろに負担がかかってしまう。

つまり、「後ろを使わざるを得ない状態」を作っているのは、前が硬くなっているからなんです。

首の前側と自律神経の関係

首の前側には「星状神経節」といって、自律神経が集中している場所があります。

この前側が硬くなると、自律神経のスイッチがオンになってしまい、体が常に緊張・興奮モード=交感神経優位になってしまいます。

さらに胸鎖乳突筋や斜角筋は、鎖骨や肋骨につながる筋肉で、「呼吸」に深く関わっています。

この筋肉が硬くなると、胸郭(鎖骨・肋骨・胸骨など)が動かなくなって、呼吸が浅くなってしまう。

呼吸が浅いと、自律神経が乱れる。

つまり、首こりと自律神経の乱れ、そして呼吸の浅さはすべてつながっているということなんです。

よくある随伴症状

こういったタイプの方は、次のような症状を併発していることが多いです。

  • 脇に汗をかきやすい(緊張モード)
  • 手足の冷え(血流不良)
  • 目の疲れ・ドライアイ(眼精疲労)
  • 爪が割れやすい、ボロボロになる(末端の血行不良)
  • 下痢と便秘を繰り返す

さらに、自律神経の乱れがある人は胃腸が弱い傾向があります。消化吸収力が落ち、胃腸のトラブルを抱えているケースが非常に多いです。

「お腹が張る」「下痢しやすい」「便秘」「胃の不快感」「食後に胃が重くなる」

こういった症状がある人は、自律神経からくる首こりも併発していることが多いです。

自律神経からくる首こりを改善するためのストレッチ

ここからは、そんな方におすすめのストレッチを紹介していきます。

覚えてしまえばとても簡単です。1日2回、朝と夜にやるのがおすすめです。

①首(胸鎖乳突筋・斜角筋群)のストレッチ

① 伸ばしたい側の手(例:左側を伸ばすなら左手)を背中の後ろへ回します。肩がきつい方は少し下でも大丈夫です。

② 逆の手(右手)で鎖骨を軽く下に押さえます。

③ そのまま上を向き、反対側の斜め上を見ます。

左側を伸ばしたいなら右斜め上を見ましょう。

首の斜め前あたりがじわっと伸びていればOKです。胸鎖乳突筋と斜角筋の両方にアプローチできます。

20秒間キープ。反対側も同様に行います。

痛みがあるときは無理をせず、気持ちよく伸びている感覚を大切にしてください。

②職場でできる前腕ストレッチ

「職場では首のストレッチは難しい…」という方もいますよね。

そんな方におすすめなのが、前腕のストレッチです。

デスクワークをしていると、手のひらを下に向ける姿勢が続き、前腕(手のひら側)の筋肉が硬くなります。

これが肩の内巻きや猫背を作り、首の前の詰まりにもつながってしまうんです。

やり方は簡単。手首を反らせて、指先を軽く持ちながら、前腕の内側を15〜20秒伸ばします。

1時間に1回程度でOKです。

自律神経を整えるツボ

代表的な自律神経を整えるツボは下記の通りです。

  • 腎虚タイプ(気力が出ない)

     →【関元・太渓】で腎を補い、根本的な活力を取り戻します。
  • 気滞タイプ(ストレスや緊張による巡りの滞り)

     →【合谷・太衝】で気を巡らせ、頭皮の血流をスムーズに。
  • 脾虚タイプ(お腹が弱い)

     →【中脘・足三里】で消化機能を高め、余分な水分や老廃物を排出します。
  • 血虚タイプ(血不足による冷えのぼせなど)

     →【血海・三陰交】で冷えを防止

自律神経を整えるツボは、当院代表の著書『10秒で自律神経が整うツボゆらし』(池田書店)でご紹介しています。

五臓六腑に繋がるツボを軽く“ゆらす”だけで、自律神経を穏やかに整えるセルフケアをまとめた一冊です。

首こり・頭痛・不眠・不安感など、日常の不調をやさしく整えたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

まとめ

前腕と首の前をゆるめることで、自律神経からくる首こりは確実に軽くなっていきます。

マッサージや整体に行っても改善しない場合は、首の前側や前腕に原因が隠れているかもしれません。

今日のセルフケアを取り入れることで、

  • 首の後ろの負担が減る
  • 呼吸が深くなる
  • 自律神経の乱れが整う

そんな変化が実感できるはずです。ぜひ、日々の習慣の中に取り入れてみてください。